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会計事務所でAIが定着しない5つの理由と「型から作る」導入ステップ

先日、ある10名規模の事務所の 所長先生とお打ち合わせを していたときのことです。

「大須賀さん、うちもAI入れたんですよ。
OCRとか、文字起こしとか。 でもね……正直、 ほとんど使われてないんです」

この一言、 実は珍しい話ではありません。

むしろ、私が月次でサポートさせて いただいている事務所の中でも、 一番よく聞くご相談の一つです。

別の事務所の所長先生からは、 こんな声もいただきました。

「なんか生成AIとか良さそうだし、 検索程度には使ってるけど、 業務効率までいってないんだよね」

そうなんです。 AIツール自体は日々進化しています。

OCR、文字起こし、 仕訳の自動化、議事録の要約。

便利なものがどんどん出てきて、 SNSでも「これを使えば劇的に変わる」 という情報が飛び交っています。

でも、実際の現場ではどうでしょうか。

導入はしたけど、 使っている人と 使っていない人がいる。

なんとなく入れてみたけど、 効果がよくわからない。

気づいたら 元のやり方に戻っている。

こういうこと、ありませんか?

私はこれまで80社以上の 会計事務所をご支援してきました。

その中で確信しているのは、 AIが定着しない原因は AIそのものにあるのではなく、
AIを入れる「前」の段階に あるということです。

今回は、なぜ会計事務所で AIが定着しないのか。

その原因を5つに分解した上で、
「じゃあどうすればいいのか」という導入の正しい順番について、 現場のリアルな声とあわせて お話しします。

少し長い記事になりますが、 最後まで読んでいただければ、
「うちの事務所は まずどこから手をつけるべきか」が 見えてくるはずです。

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目次

「AI入れたのに、誰も使ってない」──現場でよく聞く風景

AI導入したのに誰も使っていない会計事務所のあるあるイラスト

まず、私が現場で実際に見聞きする 「あるある」を並べてみます。

  • OCRツールが事務所の中に3つも4つもある。しかも、なぜその組み合わせなのか誰も説明できない
  • Zoomで文字起こしする人、Google Meetで文字起こしする人、保存先もバラバラ
  • 所長先生が「とりあえずこれ入れるから」と導入したけど、現場は「面倒くさい」「実態と合わない」と不満
  • 管理項目がどんどん増えて、職員さんが「監視されてる気分」になっている
  • マニュアルは作ったけど、誰も見ていない。「このマニュアル古いですよ」と言われる始末
  • 報告書や議事録がテキストで蓄積されていないから、AIに分析させようにもデータがない
  • 所長先生自身が「正直どこから手をつけていいかわからない」と感じている

どうでしょうか。

一つでも「うちもそうかも……」 と思い当たるものがあれば、
この記事はきっとお役に立てると思います。

実はこれらの「あるある」、 全部つながっているんです。

根っこは同じ。

AIが悪いのではなく、 AIを受け入れる土台が できていないだけなんですね。

その土台のことを、 私は「型」と呼んでいます。

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まず知っておきたい──会計事務所には「2つの顔」がある

会計事務所には工場とサービス業の2つの顔があることを示す図解

AIの話に入る前に、 一つ大事な前提を お伝えさせてください。

会計事務所って、 結構特殊なビジネスだと 私は思っています。

何が特殊かというと、 一つの事務所の中に 2つの異なる側面が同居している ということです。

工場としての側面

一つ目は、 工場としての側面です。

決まった業務を、 決まった品質で、 決まった期日までに処理する仕事。

資料回収、入力、チェック、 試算表作成、申告、納品。

いわば製造ラインのような業務です。

これは繰り返しの仕事であり、 効率化の余地が大きい領域です。

サービス業としての側面

もう一つは、 サービス業としての側面です。

知識と経験と、 お客様との対話で 価値を届ける仕事。

経営状況を読み解いて 課題を言語化したり、 提案や意思決定の支援をしたり。

コンサルタントのような業務ですね。

なぜこの区別が大事なのか

同じ担当者が、 ある日は作業者として働いて、 ある日はコンサルタントとして動いている。

もちろん法律家としての 側面もありますよね。

だからこそ、 工場部分で使うAIと サービス業部分で使うAIを 分けて考える必要があるんです。

ここが混ざったまま 「AI入れよう」となると、 「で、何に使うの?」が 曖昧になってしまう。

この2つの側面を 意識するだけでも、 「うちの事務所は どこにAIを入れるべきか」が ぐっとクリアになります。

AIの得意分野の整理と、 この2つの顔に対して どう導入を検討すればいいかの 具体的な進め方については、 別の記事で詳しく解説しています。

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AIが定着しない5つの理由

ここからが本題です。

AIが定着しない原因を、 私なりに5つに整理しました。

一つずつ、 現場で実際に起きていることと あわせてお話しします。

理由①:「誰がいつ使うか」が決まっていない

AIを誰がいつ使うか決まっていないことが定着失敗の理由を示すイラスト

AIはインプットされた情報に対して 処理をして、アウトプットを出す という構造で動いています。

つまり、「いつ」「誰が」 「どの工程で」使うかが 決まっていないと、 AIはそもそも動きようがない。

これは先ほどの 「工場としての側面」で 特に顕著に出る問題です。

資料回収がいつまでに 終わっている前提で、 いつチェックして、 補足資料があるかないかを確認して、 いつ顧問先に報告するか。

こういったルールが 決まっていないと、 「いつAIを動かせばいいかわからない」 という状態になります。

ある事務所では、 RPAを導入したものの、 誰がいつ起動するかが 決まっていなかった。

結果、 「動かす人」と 「動かさない人」が生まれて、 半年後には誰も使わなくなっていました。

これ、よく考えると 当たり前の話なんです。

資料回収が 自動で振り分けされて、 自動で仕訳が切られて、 通知が行く。

こういう仕組みが うまく機能しないのは、
「いつまでに資料回収が終わっている」 という前提条件が 定まっていないからなんですね。

前提が決まっていなければ、 AIがいつ動けばいいかもわからない。

大体こういったツールを入れたときの トラブルっていうのは、
ツールが悪いという問題以上に、 どの業務のどの工程で そのツールを使うかという 設計がなかったりすることが多い。

これが一番の理由だと 私は思っています。

理由②:同じ機能のツールが事務所内に乱立している

同じ機能のAIツールが事務所内に乱立している状態のイラスト

これは本当に よくお聞きする話です。

同じ事務所の中に OCRが3つ、4つ入っている。

理由を聞くと、 「この会計ソフトには このOCRが相性いいから」 というパターンもあれば、
「なんとなく試しに入れたのが そのまま残ってる」 というパターンもある。

本当は1つに絞れば、 コスト削減もできるし、
オペレーションも一本化されるから 覚えるのは1個で済むんですね。

でも、慣習的に残ってしまっている ものを整理する判断基準がないから、 ずっとそのままになっている。

文字起こしも同じです。

Zoomの文字起こし機能を使う人、 Google Meetを使う人、 Nottaを使う人。

保存先もバラバラ、 ファイル名のルールもない。

こういう状態でAIを入れても、 「どのデータをどこから引っ張るか」が そもそも定まらないわけです。

さらに厄介なのは、 ツールが乱立していること自体に 誰も問題意識を 持っていないケースがあること。

「昔からこうだから」で 済まされてしまう。

でも、これって AIの問題ではなく、 そもそもの工程の 判断基準がない という問題なんですね。

どの工程で どのツールを使うか、 その善し悪しをどう判断するか。

ここが曖昧なまま放置されているから、 結果としてツールが増え続けてしまう。

これは本当にもったいない。

1ヶ所に統一するだけで コストも下がるし、 全員が同じオペレーションで 動けるようになる。

でも、その判断をする基準自体が なかったりするんですね。

理由③:所長が使っていない・例外を作ってしまう

所長がAIを使っていない・例外を作ってしまう構造のイラスト

これ、なかなか言いにくいことなんですが、 避けて通れない話です。

ある事務所で業務管理ツールを 導入したとき、
所長先生が 「私の確認はこのツールではやりません」 とおっしゃったことがありました。

その瞬間、何が起きるか。

職員さんの間で 「社長がやってないし」 という空気が生まれるんですね。

そうすると 「私もやらなくていいかな」が どんどん広がっていく。

最初は1人、2人が使わなくなる。

それが半年もすると、 ツールを開く人と開かない人で 完全に分かれてしまう。

所長先生が例外を作ると、 ルール全体が崩れます。

これはAIに限らず、 どんなツール導入でも共通する 落とし穴です。

もちろん、所長先生には もっと重要な判断業務があるのは事実です。

ただ、「自分は使わない」と 「自分も一緒にやる」では、
現場の受け取り方が まったく違うんですね。

もう少し踏み込んで言うと、
所長先生だけでなく IT担当者だけが導入の話を聞いている というパターンも危険です。

先生が「とりあえずこれ入れるから」 と導入を決めて、 現場の職員さんには事後報告になる。

そうすると何が起きるか。

「全然フィットしないです」 「報告が二度手間です」 「面倒くさいから使いたくないです」

こういう声が出てくるんですね。

そして結果的に、 納品作業が二度手間になったり、 ツール自体が使われなくなったりする。

導入の意思決定と 現場の運用設計は、 本来セットでなければいけない。

でも、ここが分離してしまうケースが 本当に多いです。

ある事務所の所長先生は、 こんなことをおっしゃっていました。

「元々描いてたことは、 かなりずれてきちゃってる感じがある」

「3ヶ月でブレブレだなと思って」

これ、先生を責めたいわけでは まったくありません。

忙しい中で、 採用も集客も業務管理も 全部考えなきゃいけない。

そうすると、 ツール導入の優先順位が どんどん下がっていくんですね。

結果として、 導入したはいいけど 運用まで手が回らない。

これは「やる気の問題」ではなく、 所長先生がすべてを抱えすぎている という構造の問題なんです。

理由④:導入の「目的」が現場に伝わっていない

AI導入の目的が現場に伝わっていない状況のイラスト

「このツール入れるから、 明日から使ってね」

こういう導入の仕方をすると、
現場からは 「また新しいものが増えた」 「やること増えるだけじゃないですか」 という反応が返ってきます。

特に危険なのが、 目的を伝えないまま 管理項目だけが増えていく パターンです。

ゴールが共有されていないと、 管理を強めることしかできなくなる。

チェック項目を増やす、 報告頻度を増やす、 記録を細かくする。

やることが増えるだけで、 何のためにやっているのかが見えない。

職員さんからすると 「監視されてる」 という気持ちになるんですね。

ある事務所で まさにこれが起きていました。

管理項目がどんどん増えて、 職員さんのモチベーションが 下がっていく。

先生としては 「状況を把握したい」 という意図なんですが、 現場には 「信用されていない」と映ってしまう。

これは目的の伝え方の問題です。

ツールを入れる目的は 「監視」ではなく、 「みんなが楽になるため」のはずです。

もっと言えば、 「この工程をAIに任せることで、 あなたの残業が減る」

「このデータが溜まることで、 来年の繁忙期の 負荷分散ができる」

「今は手作業でやっている このチェックが、 自動化できるようになる」

こういう具体的なメリットが 職員さんに見える形で 伝わっているかどうか

ここが定着するかしないかの 分かれ目です。

理由⑤:そもそも業務の「型」がない

業務の型がないままAIを導入する問題を示す図解

5つ目が、 実は一番根っこにある問題です。

そして、ここまでの4つの理由が 全部つながってくるのが この「型がない」という問題です。

資料回収のルールが お客さんごとに違う。

しかも、 それが書面化されていない。

納期や優先順位の認識が 人によってずれている。

面談の頻度も、 試算表の提出タイミングも、 担当者によってバラバラ。

「事務所で標準的に約束している 面談頻度とか 試算表の提出頻度っていうのは 何回ですか、
いつまでに資料回収するルールですか?」

こう聞くと、 明確に答えられない事務所が 実はかなり多いんですね。

こういう状態を、 私は「業務設計の曖昧さ」 と呼んでいます。

そして、この曖昧さこそが 属人化の正体なんです。

属人化というと 「あの人がいないと仕事が回らない」 という話になりがちですが、 本質はそこではなくて。

標準的なルールが存在しない、 もしくはあっても運用されていない

だから結果的に、 人に依存する構造ができてしまう。

これが何を引き起こすかというと、 本当に怖い話があります。

ある事務所では、 特定の担当者しか 業務の流れ・やり方がわからない 状態になっていました。

その人が休むと仕事が止まる。 フォローもできない。

そして、もしその人が辞めたら—— 仕事をゼロから拾い直さなきゃ いけなくなるんですね。

さらに怖いのが連鎖退職です。

5人の事務所で1人抜けたら、 残った人に件数が倍になる。

1人欠けたときの負荷が あまりにも大きいから、 「もう無理です」と 次の人も辞めていく。

もっと生々しい話をすると、 ある事務所では リーダーを任命した 翌週の月曜日に、
その人が出社してこなかった ということがありました。

連絡がつかず、 ご家族に電話したら、
本人は自分でお金を引き下ろして そのまま姿を消してしまったと。

これは極端な例ですが、 属人化が進んだ状態で キーパーソンが抜けると、
事務所は一瞬で機能不全に陥る ということです。

こういう構造を抱えたまま AIを入れても、
AIが参照するルール自体が 存在しないわけですから、 定着するはずがないんですね。

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マニュアルを作っても使われない問題

もう一つ、 見落としがちな問題があります。

それは、 マニュアルを作っても使われない ということです。

5人くらいまでの規模だと、 マニュアルをたくさん作る 事務所も多いです。

でも、使われないマニュアルが 大量にできるというケースが 実は珍しくない。

「このマニュアルは いつ使うんですか?」

「このマニュアル、 内容が古いですよ」

こういう声が 現場から上がってくる。

誰がいつまでに何をやっているかが 見えていないから、 マニュアルの更新タイミングも わからない。

結果として、 作っただけで棚に眠る ドキュメントが増えていく。

マニュアルは「作ること」が ゴールではなく、 業務の流れの中で いつ参照されるかが 設計されていることがゴールです。

ここが抜けていると、 マニュアルもAIも、 同じように形骸化してしまいます。

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リーダーに業務が集中して若手が育たない構造

属人化の問題は、 「誰かが辞めたら困る」 だけではありません。

育成が止まる という問題もあります。

ある事務所では、 リーダー的な立場の方に 業務が集中していました。

確定申告の請求を見ても 1件も値上げしていない。

業績が倍増している お客さんがいるのに、 顧問料が変わらない。

なぜそうなるかというと、 リーダーが日々の業務に追われて、 そこまで手が回らないんですね。

そのリーダー自身も こんなことをおっしゃっていました。

「全員ができてるかって言ったら、 おそらく私がメインで やっているのかな」

「1月に皆さんに こうやりますよって言っただけで、 フィードバックが言えていない」

「自分では決めきれない」

これ、リーダーの能力が 低いわけではないんです。

仕組みがないから、 リーダー1人に判断が集中してしまう。

結果として、 若手に仕事を渡せないし、 チェックもフィードバックも 追いつかない。

この構造のまま AIを入れたとしても、 リーダーの負荷が減るどころか、 「AIの結果も リーダーがチェックしなきゃいけない」 という工程が増えるだけです。

だからこそ、 AI導入の前に 役割と工程の設計が 必要なんですね。

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もう一つの壁──「標準化されたら困る」という声

標準化されたら困るという現場の声を示すイラスト

5つの理由に加えて、 もう一つ触れておきたいことがあります。

現場でツール導入や 標準化を進めようとすると、 思わぬ方向から抵抗が出ることが あるんですね。

ある事務所で、 こんな声を聞いたことがあります。

「仕事が全部標準化されて、 面談だけになったら、 それを引き継いだら 自分の雇用が終わっちゃう じゃないですか」

つまり、 自分しか見れないお客さんが いた方が、 自分の立場が守られる。

属人化が、 自分の雇用を守る防波堤に なっているという構造です。

これは職員さんを 責める話ではありません。

年金が不安だから長く働きたい、 自分のポジションを確保したい。

そう思うのは当然のことです。

ただ、この構造が放置されると、 標準化もAI導入も すべてブレーキがかかります。

だからこそ、 標準化を進めるときには 「あなたの仕事がなくなるのではなく、 あなたの仕事の中身が変わる」 ということを、 丁寧に伝える必要がある。

単純作業から解放されることで、 もっと付加価値の高い仕事に 時間を使えるようになる。

お客さんとの コミュニケーションに集中できる。

むしろ、 標準化されていない状態の方が その人の成長機会を 奪っているかもしれない。

こういった 「変わった先の姿」を セットで伝えないと、 現場は動いてくれません。

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5つの原因に共通する構造──努力不足ではなく「設計」の問題

AI定着失敗の5つの原因に共通する設計の問題を示す図解

ここまで5つの理由と、 現場の抵抗の話をしました。

共通点があることに 気づかれたでしょうか。

どれも 「所長先生の努力が足りない」とか 「職員さんのやる気がない」 という話ではないんですね。

OCRが乱立するのは、 整理する判断基準がないから。

所長が例外を作ってしまうのは、 導入時の設計にその観点が 入っていなかったから。

目的が伝わらないのは、 伝える仕組みがないから。

型がないのは、 業務設計というステップを飛ばして ツールを入れたから。

リーダーに業務が集中するのは、 役割と工程の設計がないから。

職員さんが抵抗するのは、 変わった先の姿が 共有されていないから。

全部、構造の問題です。 仕組みと運用の問題なんです。

逆に言えば、 構造の問題だからこそ、変えられる

個人の能力や性格の問題だったら 変えるのは難しいですが、 設計の問題であれば 手順を踏めば改善できます。

これは責める話ではなく、 「だったらどこから直せばいいか」 という話です。

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「スタッフ0名で60社」の事例が教えてくれること

スタッフ0名で60社を回す事例から学ぶ型の重要性のイラスト

最近、SNSで 話題になった事例があります。

スタッフ0名で 60社の顧問先を持ち、 毎晩AIが自動で仕訳処理をしている、 という税理士さんの話です。

すごい事例ですよね。

人件費3,000万円分がゼロになった、 転記作業もゼロだと。

でも、この事例を冷静に分析すると、 やったことは 極めてオーソドックスなんです。

①判断基準を言語化した

「Suicaだから旅費交通費」 「飲食1万円超だから交際費」 といった判断を、 14カテゴリー・100個以上の キーワードとして辞書化した。

事務所独自の 勘定科目ルールも作って、 それをAIに渡した。

②「任せる」と「見る」の線を引いた

内容が不明なデビットカード、 借入金の返済、 按分が必要な処理。

こういった判断が難しいものは 人が確認する。

AIの判断に自信があるものは 自動処理、 自信がないものは報告させる。

新人さんに 「自信がなかったら教えてね」 と言うのと同じですね。

③業務マニュアルとしてAIに渡した

仕訳ルール、税区分、 判断の境界線を 一つのファイルに集約して、 引き継ぎ資料と同じ形で AIに読み込ませた。

何度同じことを教えても 忘れがない。

これ、新人さんに仕事を引き継ぐのと まったく同じ構造ですよね。

判断基準を書き出して、 任せる部分と確認する部分を分けて、 マニュアルとして渡す。

渡す相手がAIか人かの 違いだけです。

つまり、 「型」があったからAIに任せられた

業務マニュアルが 人に教える形になっていないものは、 AIにも渡せません。

なぜなら「型」ができてないから。 判断ができないからなんです。

ただ、このマニュアルの作成から AIでやるっていうのは 全然いいと思います。

先生が話したことを どんどん言語化して マニュアルを作る というところから スタートするのも すごいいい方法です。

でも、そのマニュアルがないと、 いきなりの自動化はできませんよ っていうことなんですね。

この順番がすごく大事なんです。

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ただし、この事例を10名の事務所にそのまま持ち込めるかというと──

小規模事例を10名規模事務所にそのまま適用できない理由のイラスト

ここが重要なポイントです。

この事例は 1人の事務所だから成立しています。

確認者が自分だから、 ルールも自分の頭の中にあればいい。

AIに渡す辞書も 自分だけのものでいい。

でも、5人、10人の事務所で 同じことをやろうとすると、 話が変わります。

複数人がそれぞれ独自のルールで AIを動かしたら、 ルールがバラバラになる 可能性がある。

「この顧問先は 誰が確認したのか」が見えなくなる。

AIの処理結果を 「いつ」「誰が」「どうやって」 承認したかが不明になる。

もちろん、 スプレッドシートで自作したり、 AIにコードを書かせて 全部自動化することは 技術的には可能です。

ただ、 作った人が辞めたらどうなるか

メンテナンスが必要になったとき、 誰が対応するのか。

自作のプログラムは、 保守・責任・継続性の面で 本当に難しいんですね。

API変更やスタッフの入れ替えが あったとき、 直せる人がいなくなってしまう。

AIが進むほど「見えなくなる」問題

さらに、 組織でAIを活用するときに もう一つ注意すべき問題があります。

それは ブラックボックス化です。

各工程の効率化が進むほど、 工程全体が見えなくなるんですね。

複数のAI・RPAツールが 個別に動くと、 どの案件がどこで溜まっていて、 何の問題が発生しているかが どんどんわかりにくくなる。

これは工場で言うと わかりやすいんですけど、 最新のコピー機を入れたから たくさん印刷できるようになった。

でも、みんながそれぞれ 印刷のキューを入れると、 いつ自分の印刷が終わるのかわからない。

印刷が終わったものを 横に積んだけど、 誰も報告しなかったら 「あれ、印刷かけたのに どこに行っちゃったんだろう」 って探さなきゃいけない。

AIで自動化されたり、 一連で処理される中で、 本当にどの工程で止まっていて その問題は何なのか。

普通の工場だったら ベルトコンベアでエラーが起きたら センサーが発動して 「ここで問題が起きたから ベルトコンベアを停止します」 というのがわかります。

でも、これが一元管理されていない状態だと、 どこで誰が止まっているのか、 AIが止めてるのか 人が止めてるのかすら わからなくなってしまう。

1人で回す分には コントロールできます。

でも5人以上で コントロールできるかというと、 おそらくできない。

だからこそ、 工程を可視化して、 全体を管理する司令塔を作る ということが必要なんです。

AIが手足を持って 行動してくれるんだったら、 全体を管理する司令塔が必要。

AIができるところと 人が判断するところの線引きを作り、 処理結果を一元管理する。

それが誰でも見える状態にするから、 「これが止まってる、 なぜだろう、 AIがエラーを起こしてる」 ということがわかるようになる。

ある程度の規模になると、 個人のAI活用ではなく、 組織としてのAI活用に 切り替える必要がある。

そのためには、 AIの前に「型」を作る。

これが正しい順番だと 私は考えています。

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「型から作る」AI導入の4ステップ

では、具体的にどういう順番で 進めればいいのか。

私がクライアントの事務所で ご支援するときの 基本ステップをお伝えします。

ステップ①:主要業務の工程を書き出す

まずやっていただきたいのは、 事務所の主要業務の工程を 紙に書き出すことです。

たとえば記帳代行なら、 資料回収→入力→チェック →試算表作成→納品。

決算なら、 申告期限から逆算して、 いつから着手して いつチェックするか。

私がこれまで 70社以上の事務所を ご支援してきた中で、 工程が全部一緒だったという 事務所はほぼありません

組織体制が違う、 クラウド会計の導入率が違う、 記帳代行プランと自計化プランで 工程が違う。

同じ事務所の中でも、 お客さんによって 工程が変わることもあります。

だからこそ、 「うちの事務所は この工程で回している」 という現状を 見える形にすることが 最初の一歩になります。

まずはメインの業務1つだけで かまいません。

ホワイトボードでもExcelでも、 書き出してみてください。

ちなみに、 5名から10名に成長するタイミングで、 この工程の書き出しを やっているかどうかで 大きな差が出ます。

ルールをきちんと決めてある事務所は、 10名くらいまで スムーズに運営できることが多いです。

同じルールでやればいいから、 新しく入った人も迷わない。

でも、ゆるゆるのまま 人だけ増やした事務所は、 割と苦戦することが多いですね。

ステップ②:各工程の「担当」と「期限」を決める

工程を書き出したら、 次はそれぞれの工程に 「誰が」「いつまでに」を 設定します。

ここで大事なのは、 個人名ではなく 役割で設定することです。

「山田さんがやる」ではなく、 「監査担当者がやる」 「製造チームがやる」 「誰でもできるから パートさんでもOK」。

こういうふうに 役割で定義すると、 人が入れ替わっても 工程が崩れません。

たとえば、資料回収の工程。

監査担当者の役割が 「資料を適切に回収すること」 と定義されていれば、 資料回収は 監査担当者の仕事です。

でも、記帳チームがすでに 運用できているなら、 「資料回収と不足資料の確認は 製造チームが責任を持つ」 という設計もありえる。

どちらが正解というわけではなく、 事務所の成熟度と規模に応じて変わる ものなんですね。

だからこそ、 来月から工程を変えます ということが普通に発生するのが 業務管理のポイントだと思っています。

期限についても、 「なるべく早く」ではなく、 「資料回収後3営業日以内に チェック完了」のように 数字で決める。

曖昧さをなくすことが、 型を作るということです。

ある事務所では、 担当者1人あたりの月間申告件数を 「4件以下」と基準値を設けていました。

この基準があるから、 営業が新規案件を受注するときに 「この月は取らない」 という判断ができる。

なんなら、 お客さんに提案して 決算期を変更していただくことも あるんです。

逆にこの基準がなければ、 3月決算5月申告が どんどん積み上がっていく。

これは当たり前のことで、 そのクライアントが多い時期に 集中するのは構造上避けられない。

基準値があるから判断ができる。 これが「型がある状態」です。

ステップ③:AIに任せる工程と、人が判断する工程を色分けする

工程と担当が決まったら、 次はその工程の中で 「AIにやってもらった方が 早い・正確なもの」と 「人が判断しないとまずいもの」 を分けます。

たとえば、 資料の自動振り分けやリネーム、 定型メッセージの生成。

こういった単純作業の繰り返しは、 AIが最も得意で、 最も信頼できる分野です。

導入効果も 時間や件数で測りやすい。

一方で、 税務判断が絡むもの、 経営の意思決定に関わるもの、 按分が必要な処理。

こういったものは、 AIが出力したものを 必ず人がチェックする工程を残す。

ここで注意が必要なのが、 AIの出力って 「速い」のと「正確」なのは 別物だということです。

数字の読み間違いや 事実誤認は普通に起きます。

特に厄介なのが、 面談の文字起こしで 「誰が発言したか」が 曖昧になるケース。

私も経験がありますが、 先生の課題として 認識していることと、 私が「今後こういう課題も 出るかもしれませんね」 と先に伝えたこと。

これが議事録上で混ざってしまって、 先生の悩みとして 記載されてしまうことがあるんですね。

だからこそ、 AIの出力は必ずチェックする

そのチェック工程を 「誰が」「いつ」やるかを 決めておく。

全部をAIに任せるのではなく、 任せる部分と見る部分の線を引く。

この線引きが、 組織でAIを使うときの 生命線になります。

ステップ④:運用ルールを作り、チームで回す

型を作って、AIを入れて、 それで終わりではありません。

むしろここからが本番です。

タスクの更新ルール、 進捗の共有ルール、 作業の報告ルール、 チェック体制の設計。

こういった 「日々の運用に落とし込む」 部分がないと、 せっかく作った型も形骸化します。

ある100名規模の事務所では、 面談議事録のルールを 作ったにもかかわらず、 本来300件登録されるべきものが 100件しか登録されていなかった、 ということがありました。

「報告してください」 というルールだけでは足りないんですね。

報告することが 「なぜ大事なのか」 「それが事務所として どういう意味を持つのか」 まで伝えて、 初めて文化として定着していく。

特に自立心が強い 監査担当者の方で、 自分の売上だけを見ている場合、 なかなか報告をしてくれない という相談は 本当にたくさん来ます。

これは10名規模でも、 20名規模でも、 100名規模でも同じ悩みなんです。

だからこそ、ルールだけでなく カルチャーとして根づかせる 必要がある。

実は弊社でも、 2024年7月に会社を立ち上げて、 2025年3月に 新入社員を迎えたんですが、 その前に60ページの カルチャーブックを作りました。

使ってみて 「ちょっと浸透してないな」 という部分があったので、 優先度が高いものを全部抽出して、 今は30ページぐらいに凝縮しています。

入社前にも読んでもらいますし、 入社後のワンオンワンでも その項目をもとに話します。

浸透させる努力って、 本当に必要なんだなと 日々感じています。

週次のミーティングで 進捗を確認する。

朝会でリソースの過不足を共有する。

月次で振り返って 工程を改善する。

こういった改善ループを 回し続けることで、 型が磨かれていきます。

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「困ったらすぐ相談して」が裏目に出るとき

運用ルールとカルチャーの話で、 一つ具体例をお伝えします。

「困ったらすぐに相談してね」

これ、多くの事務所で 大事にされている文化ですよね。

ある事務所でも、 この方針を徹底されていました。

結果、何が起きたかというと、

何も考えずに相談してくる ようになってしまったんです。

先生としては、 確かに「困ったらすぐに相談する」 という文化は徹底された。

でも、 「自分で調べてから質問する」 ということもなくなってしまった。

皆さんの事務所にも あるんじゃないでしょうか。

困ったら相談してほしい、 すぐに相談に乗るよっていう一方で、 「でもちょっとは調べてから 持ってきてほしいな」 みたいなこと。

これ、どうすればいいかというと、 たとえばこんな工夫があります。

まずはマニュアルを調べる、 もしくはAIで調べる。

「こういうところで困っています、 こうしようと思っています」 という結論を踏まえて、 上司に相談する。

あるいは、 先輩社員が 「今は集中してます」のサインを 出しているときには 声をかけない、 チャットの質問チャンネルに 投稿する、 というルールにする。

大事なのは、 「すぐに相談する」という 価値観そのものは壊さない ということです。

チームワークを良くしたい、 フォローしあいたい。

その文化は正しい。

でも、運用上の問題が 出てきたときに、 文化を否定するのではなく、 ルールを改善する

「すぐに答えなくていいよ」 としてしまうと、 せっかく作ろうとした 文化が壊れてしまう。

だからこそ、 ルールの部分を改善したり 例外要素を作ったりする。

こういった調整は、 マニュアルとして残すだけでなく、 カルチャーとして チーム全体に浸透させていく 必要があるんですね。

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「型を先に作った」事務所で起きていること

型を先に作った事務所でAIが定着している様子のイラスト

ここまで 「型がないとこうなる」 という話をしてきました。

じゃあ、型を先に作った事務所は どうなっているのか。

いくつかの事例をお伝えします。

業務管理ツールを入れる前に工程を整理した事務所

ある事務所では、 以前は別のツールで 業務を管理しようとしたものの、 うまく機能しなかった という経験がありました。

その反省を踏まえて、 次の導入では先に業務の工程を 整理することから始めたんですね。

どういう業務を、 いつまでにやるか。

ルールを丁寧に作ってから ツールに落とし込んだ。

結果、 新しく入った人が 迷わずに仕事を覚えられるようになり、 先生やマネージャーも どこをサポートすべきかが 明確になった。

この事務所は 導入時2〜3名の規模でしたが、 その後3年で6名規模にまで 成長されています。

型があるから、 人が増えても 同じルールで回せるんですね。

見える化してから議論の質が変わった事務所

別の事務所では、 まず業務管理ツールで 業務を見える化して、 各工程に目標時間を設定しました。

お客さんごとに、 各工程が何分で完了するかを 全部データとして持つようにした。

さらにそのデータをもとに、 一部RPAでタスクを作って 仕事を振る仕組みも構築した。

すると何が起きたかというと、 「この工程に 時間がかかりすぎている」 「ここにリソースを 追加した方がいい」 という議論が、 データをもとにできる ようになったんですね。

その事務所のマネージャーの方が おっしゃっていた言葉が 印象的でした。

「見える化してるから、 その議論になるっていうのが 勝ちですね」

まさにその通りだと思います。

見えていなければ、 感覚と経験だけで 判断するしかない。

見えていれば、 事実をもとに改善できる。

この「見える化してから議論する」 というサイクルが回り始めると、 改善のスピードが まったく変わってきます。

製造業出身の管理者を入れて標準化が進んだ事務所

面白い事例もあります。

ある事務所では、 自動車メーカーの 整備工場出身の方を 管理者として採用しました。

その方が製造計画表や 進捗の共有を 全部数値化して 管理するようにしたところ、 電子申告の納期や 月次試算表の納品スピードが上がり、 残業時間も減った。

年収は400〜500万円ぐらい かかっているそうですが、 全体としての効率化・標準化が 進んだ分、 十分にペイしている とのことでした。

会計事務所の業務って、 実は製造業の管理手法と 相性がいいんですね。

工程を分解して、 数値化して、 改善サイクルを回す。

やっていることの本質は 同じなんです。

会計事務所が「工場としての側面」を 持っているからこそ、 製造業の知見が活きる。

これは先ほどお伝えした 「2つの顔」の話と つながっています。

製販分離で「人が取りやすい文化」になった事務所

もう一つ、 製販分離を進めた 事務所の事例です。

製造部分(記帳・入力・チェック)と 販売部分(面談・提案・コンサル)を 分離したことで、 それぞれのチームの評価軸が 明確になった。

その結果、 「この事務所は役割が明確だから 働きやすい」という文化ができて、 採用にもプラスに働くように なったそうです。

代表の先生は こうおっしゃっていました。

「製販分離してた方が、 やっぱり人がそういう文化で 取りやすいっていうのが事実ある。 評価が完全に違うやり方で できるから」

型を作ることは、 AIの定着だけでなく、 採用や組織づくりにまで波及する んですね。

これはもったいない話の 裏返しでもあります。

型がないことで、 AI定着も、採用も、育成も、 全部が回りにくくなっている。

逆に言えば、 型を作るという一つの取り組みが、 事務所の経営全体に 良い影響を与えていく。

そういう構造なんです。

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型があるから、データが活きる

型があるからデータが活きるという考え方を示す図解

最後に、 「型を先に作ること」の威力がわかる エピソードをお伝えします。

ある事務所では、 FLOWで議事録を管理するときに、 「面談のタイトルに種類を書く」 というルールを設けていました。

決算面談、期中の面談、 新規面談、というように。

たったこれだけのルールですが、 蓄積されたデータを AIで分析するときに、 カテゴリが正確にわかるんですね。

「どういうお客さんに、 どういう提案をしたか」が 構造化された状態で ストックされている。

結果、 その蓄積データをもとに、 事務所のサポートの型を マニュアル化する。

さらにそこから ブログや採用コンテンツに展開する。

こういった データの二次活用が できるようになったんです。

これは「AIがすごいから」 できたことではありません。

最初から 「どういう情報を、 どういうルールで入れるか」が 決まっていたからできたことです。

逆に、 報告書がPDFだけだったり、 口頭報告だけで 済ませていたりすると、 過去の情報を活かした分析は ほぼできません。

テキストで蓄積されていなければ、 AIに読ませることすら できないんですね。

もう少し具体的に言うと、 この事務所では 今月から新しいサポートを スタートしています。

FLOWに保存された 面談の文字起こしデータを AIで全部分析して、 事務所のサポートの型を マニュアル化する。

それを言語化することで、 カルチャーブックと 集客サイトのブログに 落とし込んでいく。

なぜこれができるかというと、 FLOWで議事録を保存する、 話した内容と文字起こしデータを 添付する。

これがルールとして 型が決まっていたから、 そのデータの二次活用が できるんですね。

面談のタイトルに 「決算面談」「期中の面談」 「新規面談」と書いてあるからこそ、 カテゴリが正確にわかって、 「これはどういうお客さんに どういう提案をしたものです」 という分析が 書きやすくなる。

これが 「AIだからできるようになりました」 ではなく、 初めからそこにどういう情報で 入ってるかっていうルールがあって、 そのルール通りに 蓄積されてるからなんです。

型が決まっていれば、 データは資産になる。

型がなければ、 どれだけデータを入れても ゴミが溜まるだけ。

この違いは、1年後、2年後に 本当に大きな差になって現れます。

もったいないんですよ、本当に。

日々の面談で話していること、 お客さんに提案していること、 チェックで気づいたこと。

こういった情報が 蓄積されずに消えていく。

型を作って、 ルールを決めて、 データを溜めていく。

それだけで、 1年後にAIを使った 分析や自動化の選択肢が 格段に広がります。

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まとめ:AIの前に、型を作ろう

今回の内容を整理します。

会計事務所で AIが定着しない理由は5つ。

  • 「誰がいつ使うか」が決まっていない
  • 同じ機能のツールが乱立している
  • 所長が使わない・例外を作ってしまう
  • 導入の目的が現場に伝わっていない
  • そもそも業務の「型」がない

そして、これらは全部 「設計」の問題です。

個人の努力不足でも、 やる気の問題でもない。

解決の順番は、 型を作ってからAIを入れる

具体的には、 工程を書き出す → 担当と期限を決める → AIと人の役割を色分けする → 運用ルールを作ってチームで回す。

「とりあえずAI入れてみよう」ではなく、 「この工程のここに AIを使ってみよう」。

この一歩の違いが、 定着するかどうかを分けます。

1人で60社を回す事例も、 やったことは オーソドックスな業務設計です。

判断基準を言語化して、 任せると見るの線を引いて、 マニュアルとしてAIに渡した。

渡す相手がAIか人かの 違いだけ。

5人、10人の事務所であれば、 それを組織として設計する というステップが加わるだけです。

型がある事務所は、 AIの定着だけでなく、 採用も育成も改善も、 全部が回りやすくなる。

逆に型がない状態で 何を入れても、 道具が増えるだけで 現場は楽になりません。

まずは、 事務所のメイン業務の 工程を1つだけ 書き出してみてください。

それだけで、 「どこにAIを入れたら 効果がありそうか」が 見えてくるはずです。

そして、もし 「書き出してみたけど、 ここからどう進めていいか わからない」という場合は、 お気軽にご相談ください。

80社以上の事務所を ご支援してきた中で、 先生の事務所に合った 進め方を一緒に考えます。

今日も良い一日を。 一緒に考えていきましょう。

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