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会計事務所の新商品提案が進まない本当の理由【2027/3/9 OBC登壇レポート】

先日、株式会社オービックビジネスコンサルタント様主催の
「OBC Professional Society 2026」に登壇させていただきました。

繁忙期のど真ん中にもかかわらず、
最終的に60〜70名ほどの先生方にお越しいただきまして、
本当にありがとうございました。

今回は、当日の内容と私自身の気づきを、
できるだけ現場感を残してレポートしたいと思います。

少し長くなりますが、
「新商品をうまく展開できない」
「提案しようとしても腰が重い」
という感覚に心当たりがある先生には、
特に読んでいただけると嬉しいです。

~~~~

目次

今回のイベント概要

OBC Professional Society 2026
日時:2026年3月9日(月)14:30〜18:00
会場:東京會舘(東京・丸の内)

会計士・税理士向けのパートに私が登壇させていただいた第一部のテーマは、

「第一線の事務所に学ぶ 会計事務所における収益構造改革の設計図
〜高付加価値サービスへの実践アプローチ〜」

パネリストとしてご一緒したのは、

  • 酒井悟史 先生(株式会社アタックス・エッジ・コンサルティング 代表取締役 公認会計士)
  • 花田直子 先生(税理士法人葵パートナーズ 代表社員・税理士)

花田先生の事務所は、現在年商4.0億円超・従業員51名・グループ4法人という規模で、
クラウド会計やDXを積極的に推進されています。

酒井先生は、中堅中小企業・会計事務所のイノベーション促進を専門とされている公認会計士の先生です。

本当に豪華なメンバーで、
登壇しながら私自身もたくさん学ばせていただいた時間でした。

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準備に20時間かかった話

ここからが、今回一番お伝えしたかったことです。

今回のレジュメは、生成AIを使って約2時間で作成できました。

でも実は、
その前の準備に20時間くらいかかっていました。

「え、AIで効率化できるんじゃないの?」
と思った方、その感覚は正しいです。

ただ、AIで効率化できるのは
「整理されたインプットをアウトプットに変換する作業」
だということを、今回改めて実感しました。

整理されていないインプット、
自分の中に知識としてないテーマは、
そもそもAIに渡せるものがない。

経理代行という領域は、私自身もご支援している事務所はあります。
しかし、クライアント全体の2割程度、
もちろん案件ごとのオペレーションや問題点を全部把握しているわけではありませんでした。

そこで今回、以下のことを一つひとつ積み上げていきました。

  • OBCさまとの事前企画MTGでテーマを整理
  • アタックスさまと個別MTGで現場感をヒアリング
  • 葵さまと個別MTGでサービス設計を深掘り
  • 4社合同MTGで全体像を合わせる
  • MTGのたびに音声議事録をまとめてレポートを出力
  • 考察を録音してテキスト化
  • 2社の情報を比較資料に整理して共通点と差異を抽出
  • 他事務所の経理代行サイトを複数サイト確認してサービスの全体像を把握
  • ご支援先の議事録を読み直して、先生方のペインを再確認

これらを全部やってから、
ようやくClaudeに渡せるインプットが整いました。

そこからレジュメに落とすのが2時間。

つまり、
AIが効率化してくれるのは出力の部分だけで、
理解・整理・思考のプロセスは人間がやるしかない
ということです。

これを省いて、AIにレジュメを作らせると、
薄くて当たり障りのない内容になります。
(私もそれで何度か失敗しています)

結果として、アンケートの満足度は4.4という評価をいただくことができました。

準備の量が、満足度に直結していたと感じています。

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今回のテーマ:なぜ新商品提案が進まないのか

さて、当日の内容に入ります。

今回のパネルの中で、最初にお伝えしたのが
「会計事務所における新商品開発と提案の課題」
でした。

こんなことを感じたことはありませんか?

  • 新しいサービスを作ろうとしたが、なかなか動き出せない
  • 既存のお客様への追加提案をしたいが、タイミングが難しい
  • 職員さんが提案を嫌がる、または動いてくれない
  • サービスが出来上がりきっていないうちに売るのに抵抗がある

これ、多くの事務所で起きていることだと思います。

【実は、失敗確率は低い】

ひとつ、少し視点を変えてみてください。

会計事務所が新商品を作るとき、
実は一般企業と比べると失敗確率がかなり低いです。

なぜかというと、
他の事務所がすでにやっていることを真似すればいいから。

一般企業は、前例がない中でサービスを開発して、
何度も転けながら大きくしていきます。

でも会計事務所の場合、
「あの事務所がうまくやっている」というモデルが業界内にたくさんあります。

それを参考にしながら取り入れられる。
スタートラインが全然違うんですよね。

それなのに、なぜ進まないのか。

【進まない理由は「根性不足」ではない】

私自身、前職でお客様がある程度増えてきたとき、
まったく同じ感覚になりました。

「新しいサービスができたから提案していこう」
となったとき、

売上を作りたい気持ちよりも、
別の感情が先に出てくるんです。

  • 今、関係性がうまくいっているのに、追加でお金を出してもらって関係が崩れるのが怖い
  • クレームを起こしたくない
  • サービスがまだ出来上がりきっていないうちに提案するのが嫌だ

これ、責任を取りたくないとか、根性がないとかそういう話ではないと思っています。

本当にお客様のことを考えているからこそ、
「もう少し待ったほうがいいんじゃないか」
という気持ちになるんだと思うんです。

あとは単純に、
提案作業が面倒くさいというのも正直なところ(笑)。

そこは認めていいと思っています。

【構造的に解く:提案が進まないのは設計の問題】

この問題は、個人の気持ちや熱量の話ではなく、
組織の設計の問題として捉えるべきだと私は考えています。

たとえば、

  • 提案の「型」がない(毎回ゼロから考えるから疲れる)
  • 社内でサービスの理解が浅い(職員さんが自信を持って説明できない)
  • お客様との会話の中に「提案の入り口」を作る習慣がない
  • 成功事例が社内に共有されていない

これらが重なると、
どれだけ良いサービスがあっても提案は動きません。

逆に言えば、設計を変えれば動き出すということです。

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経理代行はなぜ広まったのか

今、会計事務所業界で経理代行という業務がものすごい勢いで広まっています。

記帳代行もそうですが、
こういった業務が広がる理由って、突き詰めると単純で、

「やってみたら儲かった」
「オペレーションも楽になった」

という事実があるからだと思っています。

記帳代行なら、
わざわざお客様先に行って経理指導するより、
入力者が直接やった方が早い。
報酬ももらえる。
しかも今は業務自体がAIでどんどん楽になってきている。

だから広まった。

でも広まる前の段階って、

  • オペレーションが確立していない
  • 事例が少ない
  • 職員さんの認知度も低い

だから取り組みにくかった。

経理代行も、経理コンサルにしても、
うまく取り入れることができれば、絶対に収益の柱になると思っています。

その「ゼロから立ち上げて、試行錯誤して大きくしていく」という話を、
今回の花田先生のご経験から直接伺えたことが、とても嬉しかったです。

花田先生の事務所は、
飛び込み営業でお客様をゼロから積み上げて、
DXを積極的に推進しながら4億円超の事務所を作り上げてきた方です。

その実体験から語っていただける話の重さは、
理論だけの話とは全然違う。

参加者の先生方にとっても、大きな価値になったんじゃないかと思っています。

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今回一番印象に残ったこと:言語化とインナーブランディング

パネル全体を通じて、私が一番印象に残ったのは
「言語化・インナーブランディング」
の話でした。

商品を作るときも、
組織を動かすときも、
言葉を作るということが本当に大事で。

それは外向けのキャッチコピーという話だけじゃなく、
「自分たちらしい言葉を社内でどう育てるか」
という話なんですよね。

【2つの異なるアプローチ】

面白かったのは、アタックスさまと葵さまでアプローチがまったく違ったことです。

アタックスグループのアプローチ:
代表が言い出して、とにかく言い続ける。
それが積み重なっていつか文化になっていくスタイル。

葵パートナーズのアプローチ:
「このメッセージを作ろう」とプロジェクトを立ち上げて、
メンバーで合意形成を重ねながら進めるスタイル。

アプローチはまったく違います。

でも、どちらも
「本質的に必要なものかどうかを問い続けながら、
どう周りを巻き込むか」
という問いに真剣に向き合っているという点は一緒でした。

どちらが正しいかではなく、
「言葉を作るという行為」そのものに真剣だということ。

これが、私にとって今回一番大きな学びでした。

【言語化は、設計の一部】

提案が進まない事務所の話に戻ると、
じつはここにもつながっています。

「なぜこのサービスが必要なのか」
「お客様にとって何が変わるのか」
「私たちがこれを提供する理由は何か」

この言葉が社内にないと、
職員さんは自信を持って提案できません。

言語化って、ブランディングや広報の話ではなく、
組織を動かすための設計の話だと思っています。

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登壇を終えて感じたこと

OBC登壇を終えての所感を示すイラスト

正直、今回の準備はかなりしんどかったです。

確定申告の繁忙期と重なり、
OBCさまとの打ち合わせ、アタックスさまとの個別MTG、
葵さまとの個別MTG、4社合同MTG……。

そのたびにAIを使って議事録をまとめ、
考察を録音してテキスト化して、
比較資料を作って、また録音して。

でも、こういったイベントが
自分を最も成長させてくれる機会だなぁと、
終わった後に改めて感じました。

「成功確率が高いとわかっていても、
なぜ提案に踏み出せないのか」

「言葉を作るとはどういうことか」

この2つのテーマについて、
実際に現場でやりきってきた先生方のリアルな声を聞けたのは、
参加者の皆さんにとっても、
そして私自身にとっても、本当に大きな価値がありました。

懇親会も盛り上がりまして、会場の熱量がとても高かったです。
(懇親会の写真しか自分では撮れていなかったのですが笑)

TOTALの高橋先生はじめ、
繁忙期にもかかわらずご参加いただいたすべての先生方に、
改めて御礼申し上げます。

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おまけ:今後の予定

最後に、今後のイベント情報をお伝えします。

●葵パートナーズ様 見学会
6月12日(金)に開催予定です。
実際の事務所の現場を見て、直接お話を聞ける機会です。
ご興味ある方はぜひ!
https://seminar.flowery.co.jp/p/aoipartners20260408

●株式会社ソラボ×葵パートナーズ様 共催 名古屋イベント(飲み会)
5月1日に予定しています。
(案内ページは準備中です)

その他、
4月ごろにはウェビナーや共催セミナーも複数予定しています。
随時お知らせしますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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まとめ:「進まない」の正体を知ると、動き出せる

今回のレポートをまとめると、こうなります。

  • 会計事務所の新商品は、失敗確率が低い。真似すればいいから。
  • それでも進まないのは、根性不足ではなく、設計の問題。
  • 提案が動くかどうかは、「型」「言語化」「社内共有」の3つにかかっている。
  • 言語化は、外向けブランディングではなく、組織を動かす設計の一部。
  • AIは出力を速くしてくれる。でも理解と思考のプロセスは省けない。

繁忙期が落ち着いたら、
ぜひ事務所の新商品・新サービスについて考える時間を作ってみてください。

何か壁打ちしたいことがあれば、いつでもお声がけください。

今日も良い一日を!

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