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会計事務所が確定申告明けに動くべき3つの理由【採用・DX・組織づくり】

確定申告が終わった直後、先生方からよく聞く言葉があります。

「やっと終わった……。少し休んでから動きます。」

その気持ち、まったく正しいと思います。 本当にお疲れさまでした。

ただ、少しだけ聞いてください。

「少し休んでから」は、
じつは一番もったいないタイミングだということを。

今回は、なぜ確定申告明けのこの時期が、
採用・業務改善・組織づくりにとって「1年で最も動きやすい黄金期間」なのかをお伝えします。

特に、5名以下の小規模事務所の先生には、ぜひ最後まで読んでいただきたいです。

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目次

確定申告明けに先生方が感じていること

確定申告明けの会計事務所所長が感じる課題のイメージイラスト

まず、こういうこと、ありませんか?

  • 今年の確定申告も終わってホッとしたけど、来年のことを考えたらまた憂鬱になってきた
  • 人を増やしたいとは思っているけど、いつ・どうやって動けばいいかわからない
  • ツールの導入やDXを考えているけど、繁忙期中はとても手が回らなかった
  • 「毎年同じ詰まり方をしている気がする」と薄々感じているけど、改善する時間がない
  • 夏ごろから動こうと思っているけど、気づいたらまた繁忙期に突入している

これ、先生の努力不足でも、意志が弱いわけでもありません。

問題は「タイミングの構造」です。

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1年のうち、本当に動ける時期は「今だけ」という事実

会計事務所の年間スケジュールと動ける時期を示すインフォグラフィック

会計事務所の1年間を俯瞰してみましょう。

【第1繁忙期】12月〜3月:年末調整・確定申告で身動きが取れない

年末調整・確定申告・法人決算が重なるこの時期は、
もちろん新しい取り組みを始める余裕はありません。

「繁忙期に何もできず、毎年また来年になる」というのは、業界全体のあるある構造です。

【第2繁忙期】4月〜5月:3月決算・5月申告で意外と忙しい

「確定申告が終わったら楽になる」——そう思っていたら、実はここも油断できません。

顧問先に3月決算の法人を多く抱えている事務所にとっては、
4〜5月は申告書作成のピークです。
3月決算法人の申告期限は5月末。
確定申告が終わったと思ったら、すぐに次の波が来る先生も少なくありません。

だからといって「じゃあ6〜7月から動こう」と先送りにすると、次の問題が待っています。

【試験シーズン】6月〜8月:職員さんが試験勉強で余裕がない

税理士試験は例年8月に実施されます。

試験を受ける職員さんにとって、6〜7月は追い込みの時期です。
職員さん自身の業務への集中力が下がりやすく、
新しいルールの習得や変更対応を求めるのが難しい時期でもあります。

「試験が終わったら動こう」→
「試験が終わったら9月。採用して育てても、繁忙期に間に合わない」——という悪循環がここで発生します。

【競合過多シーズン】9月〜11月:全員が焦って動き出す

夏が明けると、採用も業務改善も「さすがにやらなきゃ」という事務所が一斉に動き始めます。

採用媒体への掲載が増え、コストも上がります。
求職者も複数の事務所を比較・検討し始め、採用難易度が上がる時期でもあります。

「急いで誰でも採ろう」という判断ミスが起きやすいのも、このシーズンです。
そしてまた12月に入ります、、、

【本当に動けるタイミング】4月:方針と準備を「決める」月にする

こうして1年を俯瞰してみると、気づくことがあります。

完全に余裕のある時期は、実はどこにもない。

だからこそ、
4月にやるべきことは「全部片付ける」ではなく、
「方針を決めて、準備を始める」ことです。

3月決算の申告対応に追われながらでもできることがあります。

来年に向けてどういう組織にしたいか、
誰をどのタイミングで採るか、
何の業務を先に整備するか——これを「決める」だけなら、今日からでも始められます。

4月に方針が決まれば、5月申告が終わった瞬間に動き出せます。
試験シーズンに突入する前の6月に、採用や業務改善をスタートできます。

「4月は忙しいから」と後回しにした先生が、
気づいたら9月になっていた——という話を、私は何度も見てきました。

ここで動けるかどうかで、来年の確定申告の「しんどさ」がまるで変わります。

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なぜ「今のうちに」なのか。3つの理由

会計事務所が確定申告明けに動くべき3つの理由の図解

理由①:採用は「育てる時間」が必要だから

来年の確定申告に向けて、今年の秋ごろに人を採用したとしましょう。

入社してすぐ、繁忙期に突入します。

まだ業務を覚えていないスタッフが、最も忙しい時期に戦力になれるでしょうか。 教育側の先輩職員にも余裕がない時期に、きちんと育てることができるでしょうか。

現実問題として、秋採用・冬戦力化はかなりシビアです。

一方、4〜6月に採用が決まって7〜8月に入社できれば、 繁忙期までに半年ほどの「育成期間」が確保できます。

単純なことですが、「いつ入社させるか」で来年の確定申告の回り方は大きく変わります。

そして採用活動の準備——採用サイト、募集文、求人票の整備——には最低でも1〜2ヶ月かかります。 だとすれば、今すぐ動き始めないと間に合いません。

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理由②:業務改善・ツール導入は「定着」に時間がかかるから

「クラウド管理ツールを入れたい」「業務フローを整理したい」「Excelを脱却したい」

こういった取り組みを繁忙期中にやろうとすると、ほぼ確実に失敗します。

職員さんに新しい使い方を覚えてもらうには、現場に余裕がある状態が前提です。 ルール設定・運用テスト・フィードバック・定着化——これを一気に進めるには、最低2〜3ヶ月は見ておきたい。

4〜6月に導入をスタートして、7〜9月で定着させる。 そうすれば、次の繁忙期では「新しいやり方で回る」という状態が作れます。

繁忙期明けに「よし、来年こそ変えよう」と思うのに、気づいたらまた繁忙期——という悪循環を断ち切るには、今動くしかありません。

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理由③:組織設計は「考える時間」が必要だから

「そのうち人を採って、組織を整えて……」

この「そのうち」に取り組めるのは、今の時期だけです。

組織の方向性を考える、役割を整理する、採用後の教育ステップを設計する。 これらはどれも、じっくり考える時間が必要な仕事です。

繁忙期中や夏の忙しさの中では、どうしても目の前の仕事に追われてしまいます。

今の時期だからこそ、「このままではいけない」という問題意識と向き合い、「どういう事務所にしたいか」を設計する時間が取れます。

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5名以下の事務所は、特にシビアな理由

5名以下の小規模会計事務所が直面するリスクのイラスト

ここから先は、5名以下で運営されている事務所の先生に特に読んでいただきたい内容です。

「1人増える」ことの組織インパクトが全然違う

10名の事務所で1人増えることと、3名の事務所で1人増えることは、組織への影響力が全く違います。

3名 → 4名になったとき、増加率は33%です。

しかも会計事務所の場合、新しく入った人には「教える人」が必ず必要です。
先輩職員が教育役を担いながら、自分の業務もこなす——これが小規模事務所の採用の難しさです。

準備なしで人を受け入れると、教える側が疲弊します。
結果として、「育てられない」「すぐ辞めてしまう」という状況になりやすい。

だからこそ、採用の前に「受け入れ体制の設計」が必要なのです。

  • どういう業務から任せるか
  • 最初の3ヶ月で何ができればOKか
  • 誰がどこまで教えるか
  • 教育の優先順位はどこか

これを繁忙期前に決めておくかどうかで、採用後の定着率が大きく変わります。

「1人増えなかった」ときのリスクも大きい

5名以下の事務所では、採用がうまくいかなかったとき、
もしくは採用した人が早期退職したときのダメージも大きい。

業務の分散ができていないと、1人抜けたとき全員に一気に負荷がかかります。

私が支援してきた事務所を見ていて感じるのは、
「うまく成長している事務所」は採用に踏み切る前に業務の見える化と標準化をセットで進めているということです。

誰がどの案件を、どこまで担当しているか。
どこにボトルネックがあるか。
今の体制で何件まで対応できるか。

こういったことが見えていると、採用判断の精度が上がります。
「何となく忙しいから採ろう」ではなく、
「この工程の負荷が限界だから、この役割で採る」という判断ができるようになります。

これが、採用の失敗確率を下げる一番のポイントです。

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実際に起きていること——ある先生のケース

確定申告後に採用・DXに取り組んだ会計事務所の事例イラスト

(一部フィクションを含みます)

開業5年未満、職員3名で運営していたある先生のケースです。

紹介での新規獲得が月3件ペースで続いており、
「このままでは来年の確定申告が回らない」と感じていました。

ただ、採用に踏み切ることへの不安が4つありました。

① 採用した人の分の売上を作れるか不安
② 仕事を任せることへの不安
③ 採用した人が辞めたとき、全員に負荷がかかる不安
④ サービス品質が下がったり、税賠リスクが上がる不安

これ、よくある悩みだと思います。

この先生が取り組んだのは、採用に踏み切る前に業務の見える化でした。

どの顧客がどの工程にいるかをツールで管理し、
「今誰が何をどこまでやっているか」を全員が見える状態にする。

先生が「記憶じゃなく、記録に頼る」仕組みを作ったんです。

その結果、

  • 採用後に任せる業務の切り分けができた
  • 先生がプレイヤーから一歩引いて、チェック側に回れた
  • 即時対応できるようになり、紹介数・成約率がむしろ上がった

という状態になりました。

この先生が仰っていた言葉が印象的でした。

「社内のお客様の仕事がどこまで進んでいるか可視化することで、
経営の解像度が上がる感覚がありました。
何となく大丈夫だろうというぼやけた状態が、
完全にクリアな状態になる感じです。」

見える化が先、採用が後——この順番が大切だと、改めて感じた事例です。

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今、この時期にやっておきたい3つのこと

確定申告後にやるべき3つの施策のインフォグラフィック

「やるべきことはわかった。でも何から手をつければいいか」

そんな方のために、優先度の高い順にまとめます。

ステップ① 現状の業務を「見える化」する

まず、今の事務所の現状を数字と構造で把握することです。

  • 現在何件担当しているか
  • 誰がどの工程を担当しているか
  • どこに滞留・ボトルネックがあるか
  • 今の体制であと何件まで受けられるか

これが見えていないまま採用を考えると、「何のために採るのか」が曖昧になります。

まずここを整理するだけで、採用タイミングも採用基準も、グッと具体的になります。

ステップ② 「受け入れ体制」を先に設計する

採用後に何をどう教えるかを、採用前に決めておきます。

  • 入社後最初の1週間でやること
  • 最初の3ヶ月でできるようになってほしいこと
  • 教育担当は誰か、どこまで教えるか
  • どのタイミングでどの業務を引き継ぐか

これがない状態で人を迎えると、教える側が疲弊してしまいます。
特に5名以下の事務所では、「誰が教えるか」を先に決めておくことが採用成功の鍵です。

ステップ③ 採用の「窓口」を整える

求職者は今、応募する前に必ず事務所のことを調べます。

採用ページがない、または情報が少ない事務所は、そもそも応募の土台に立てません。

「どんな事務所か」「どんな働き方ができるか」「先生はどんな人か」
—— こういった情報を整えておくことが、夏以降に向けた採用活動の前提になります。

採用サイトの整備や求人票の見直しも、
余裕のある今のうちに進めておくと、夏に動き始めたときの効果が全然違います。

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10名以上の事務所の場合:プロジェクト型で全体を動かす

10名以上の会計事務所のプロジェクト型改善のイラスト

ここまでは主に5名以下の事務所を念頭に書いてきましたが、
10名以上の事務所には少し違うアプローチをお勧めしています。

ある程度の規模になると、
所長先生が一人で方針を決めて落とし込もうとしても、
現場との温度差が生まれやすくなります。

各チームがそれぞれの事業目標を追いかけながらも、
事務所全体を動かすような取り組み——たとえばDX推進や業務標準化——はプロジェクト型の運用が向いています。

チームを横断したメンバーをプロジェクト担当として立て、
定期的に進捗を確認しながら進める形です。

所長だけが旗を振るより、職員さん自身が「自分たちで決めた」という感覚を持って動けるほうが、
定着率も変化のスピードも上がります。

この「プロジェクト型の巻き込み方」については、
また別の記事で詳しく書こうと思っています。

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まとめ:来年の自分を助けるのは、今日の行動です

確定申告が終わった今、
先生の頭の中には「ようやく終わった」という安堵感と、
「また来年もこれか……」という少しの重さが共存しているのではないでしょうか。

その「また来年もこれか」を変えられるのは、今の時期だけです。

夏になれば競合も動き出す。
繁忙期に入れば手が回らなくなる。
9月に採用できても、育成が間に合わない。

だから、今動く。

「一気に全部変えよう」ではなく、「まずここだけ」でいいんです。

今月中に、自事務所の担当件数と工程の一覧を書き出してみる。
採用後の教育ステップをざっくり書き出してみる。
採用サイトを見直して、何が足りないかをリストアップしてみる。

これだけでも、来年の確定申告の「しんどさ」は確実に変わります。

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もし
「どこから手をつければいいかわからない」
「自分の事務所の場合はどう考えればいいか」
という先生がいらっしゃれば、お気軽にご連絡ください。

私のほうで、現状の整理から採用・業務設計の方向性まで、一緒に考えさせていただきます。

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最後まで読んでくださってありがとうございました。
今年も良い一年にしていきましょう!

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