税理士事務所のエクセル業務管理の限界サインと移行後に変わる5つのこと

エクセル業務管理の限界と、移行後に変わること
先日、あるご事務所の所長先生とお話していたときのことです。
「大須賀さん、うちのエクセル、もう限界な気がするんですよね…」
こんなご相談、本当によくいただきます。
でも、次にこう聞いてみると、
「そのエクセル、今どんな状態ですか?」
「えっと…1つのシートに12ヶ月分が横に伸びていて、担当者の列が何列もあって、やらないお客様のセルはグレーにしてて…色が3種類あって…」
そう聞いた瞬間、私の中で「あ、そのやつだ」とピンときます。
今日はそのエクセル管理が”どこで限界を迎えるか”と、FLOWに移行することで”何がどう変わるのか”をお伝えしたいと思います。
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動画とブログ両方で解説していますので好きなほうでご確認ください。
エクセル管理が最初はうまくいく理由

これ、最初に言っておきます。
エクセル管理が悪い、というわけではありません。
お客様が数十社規模で、ワークフローがシンプルであれば、エクセルで十分に機能します。
カスタマイズが自由にできますし、すぐに作れますし、全員が使い方を知っています。
初期コストもゼロです。
なので私が現場でよくお伝えするのは、
「今のお客様の数と業務の複雑さで判断してください」
ということです。
クライアントが数十社、担当者が固定で、ワークフローが3工程程度なら、今すぐFLOWに移行する必要はないかもしれません。
ただ、ここから先が問題なんです。
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エクセル管理の限界を示す5つのサイン

ちょっと確認してみてください。先生のご事務所のエクセルは、今どんな状態でしょうか。
・回収・入力・チェック・試算表納品…と、工程の列がどんどん増えている
・目標日と実施日の2列セットが、工程ごとに並んでいる
・担当者の欄が「窓口担当」「入力担当」「チェック担当」と複数列になっている
・一部のお客様は「回収しない」「入力不要」などグレーで塗られている
・毎月来るお客様と、四半期に一度のお客様が混在している
・シートが月次・決算・年末調整・消費税と何枚にも増えている
・コメント欄に「資料待ち」「先方都合で遅れ」などのメモが入り始めている
どうですか?
3つ以上当てはまったとしたら、すでにエクセルがかなり複雑になってきているサインです。
これ、能力の問題でも、やる気の問題でもありません。
エクセルという道具の構造的な限界が、じわじわ出てきているだけなんです。
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エクセル管理が複雑化する本当の理由

少し整理させてください。
最初はシンプルです。
クライアントが5〜10社で、回収・入力・チェックの3工程。担当者も固定。完了日だけ入れておけば、誰が見ても状況がわかります。
ところが、クライアントが増えていくとどうなるか。
まず、「完了日だけ管理」では遅延が見えなくなります。
そこで「目標日」を追加します。でもお客様ごとに訪問日が違うので、実施日が目標日とズレていきます。1セルだったものが2セルになります。
次に、工程が細かくなります。
月次業務だけで、回収・スキャン・データ依頼(外注)・入力・チェック・レポート作成・納品と、5〜9工程になることが珍しくありません。そのたびに列が増えます。
さらに、担当者が複数になります。
窓口は山田さん、入力は外注さん、チェックは田中さん、納品は筒井さん。1行で管理していたものが2行・3行に分裂していきます。
そして、お客様ごとの例外が増えます。
「このお客様は試算表納品なし」「このお客様は四半期に一度だけ回収」「このお客様は入力不要で直接チェックから」
こういった例外をグレーで塗ったり、メモで注記したりしていくと、もうシートは見た目からして混乱状態になっていきます。
私が実際にご相談いただいたある事務所では、たった13社の管理シートがこの状態になっていました。
13社ですよ。
50社、100社になったら、どうなるか。
想像していただければ、わかっていただけると思います。
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職員が「仕事を探しに行く」状態を防ぐには

ここが一番大切なポイントだと思っています。
エクセルが複雑になると、職員さんは毎日「今日やるべき仕事」を自分で探さなければなりません。
複数のシートを開いて、自分の名前を探して、どこまで進んでいるか確認して、今日着手できるものを自分で判断する。
これ、毎日やっているとどれだけの時間が消えていくでしょうか。
しかも探した末に「あ、これはまだ前工程が終わってないから、着手できないや」となることもある。
管理する側も大変です。
「今月の月次、どこまで進んでる?」と確認しようにも、シートの中から遅延しているものを探し出すのが一仕事になります。
山田さんが今何件抱えていて、そのうち何件が遅延しているかを出すためにエクセルを組むのも、それだけで相当な手間です。
自己管理しにくいものを、リーダーやマネージャーが管理できるはずがない。
これが私の見立てです。
管理が難しくなっているのは、職員さんの意識の問題でも、リーダーの力量の問題でもなく、管理ツールの構造的な問題なんです。
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FLOWとエクセルの根本的な違いとは

では、FLOWはどういう発想で設計されているのか。
エクセル管理との一番の違いは、「進捗表を作りに行く」のではなく「仕事をすると進捗表ができる」という逆転の発想です。
具体的に言うと、こうです。
まず最初にワークフローを定義します。
「月次の基本的な仕事の流れは何か」を決めます。
回収→入力→チェック→試算表納品、という順番を事務所として確定させます。
このワークフローは何種類でも作れます。記帳代行用、経過観察のお客様用、年末調整用、決算用。お客様ごとにカスタムすることもできます。
次に、お客様ごとに「いつ・どのワークフローで仕事を作るか」を設定します。
毎月来るお客様、四半期に一度のお客様、それぞれの回収頻度に合わせて設定できます。ここは自動化も可能です。
そうすると、あとはシステムが自動で仕事を作り出してくれます。
担当者のトップページを開くと、「今日やるべき仕事」が全部揃っています。
仕事を探しに行く必要はありません。
前工程が完了したものだけが届くので、「まだ着手できない仕事」が混在することもありません。
担当者はその仕事を進めて、完了ボタンを押す。
すると次の工程の担当者に仕事が届き、進捗表が自動で更新されます。
職員さんが動くだけで、進捗が勝手に見える化されていく。
これがFLOWの基本的な仕組みです。
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エクセルとFLOWを比較する

少し整理しましょう。
エクセル管理
・カスタマイズは自由、導入コストはゼロ ・クライアントが少ない時期はシンプルで使いやすい ・お客様が増えると、シートが複雑化・肥大化する ・職員さんが「仕事を探しに行く」状態になる ・人ごとの負荷・遅延状況が把握しにくい ・管理者が別途エクセルを組まないと集計できない ・データが連動しないため、更新漏れ・入力ミスが起きやすい
FLOW管理
・初期設定(ワークフロー定義・お客様設定)に一定の手間がかかる ・設定後は「仕事が自動で届く」ため、職員さんの作業着手がスムーズ ・進捗表・担当者別負荷・遅延状況がリアルタイムで見える ・管理者が集計作業をする必要がなくなる ・工数を入れれば生産性分析も可能 ・どのお客様がどこで止まっているかが、一覧で確認できる
どちらが優れている、という単純な話ではありません。
「今のご事務所の状態」と「これからどこを目指すか」によって、最適解は変わります。
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エクセルからツール移行を検討すべきタイミング
私が現場でお伝えしている目安を正直に言うと、こんな感じです。
① クライアントが50社を超えてきた
この規模になると、エクセルの管理が一人の頭の中で完結しにくくなってきます。
② 担当者が3名以上で、工程ごとに分業が始まった
回収担当・入力担当・チェック担当と分かれた瞬間に、エクセルの行が増殖し始めます。
③ 「仕事がどこで止まっているか」がすぐに答えられない
所長先生や管理者が確認しようとするたびに、シートを掘り起こす作業が発生するようになったら黄色信号です。
④ 職員さんが「自分の今日の仕事がわからない」と言い始めた
これが出てきたら、管理の仕組みを見直すタイミングです。
逆に言えば、上の4つが当てはまらないうちは、焦って移行する必要はないかもしれません。
エクセルで十分に機能しているなら、そのままでいい。
ただ、移行するなら「しんどくなってから」ではなく「まだ余裕があるうち」の方が、はるかにスムーズです。
余裕がないときに大きな変更をしても、現場が混乱するだけです。
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ツール移行で失敗しないための注意点

ここは少し注意が必要なので、正直にお伝えします。
FLOWを導入しても、「事務所のワークフローが整理されていない」と効果が半減します。
「うちは月次の手順がお客様ごとにバラバラで、担当者によって違う」
という状態のままFLOWを入れると、そのバラバラさをシステム上で再現しようとするだけになります。
大切なのは、**「まず事務所の基本的な仕事の流れを整理すること」**です。
月次の標準ワークフローは何ステップか。
担当の分け方はどのパターンが基本か。
例外はどこまで認めるか。
この整理をしてからFLOWを入れると、移行も定着もずっとスムーズになります。
ツール導入と業務整理は、セットで考えてください。
これが私の一番のお伝えしたいことです。
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まとめ:エクセルの限界は仕組みの問題です

エクセル管理が複雑になってきた時、「もっとちゃんと管理しなきゃ」と思う所長先生は多いです。
でも、問題はエクセルを使う人の頑張りではありません。
エクセルという道具が、複雑な業務管理を想定して設計されていない、ということです。
職員さんが仕事を探しに行かなければならない状態、管理者が集計作業に追われる状態、遅延が起きても誰もすぐに気づけない状態。
これは仕組みの設計の問題です。
FLOWは「仕事が自動で届き、進捗が自動で見える」ことを目指して作られたツールです。
最初の設定には手間がかかります。すぐに慣れないこともあります。
でも、職員さんが「今日何をすれば良いか」を迷わず動ける状態は、生産性だけでなく、職員さんの精神的な余裕にも大きく影響します。
「お客様に迷惑をかけない」「職員が潰れない」仕組みを作るために、管理ツールの見直しは大切な一歩です。
エクセルが限界かな、と感じてきたら、まず一度ご相談ください。
「今の状態でFLOWが必要かどうか」も含めて、正直にお伝えします(笑)
今日も良い一日を!
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FLOWについてのご質問、ご相談はお気軽にどうぞ。エクセルのままでいいか、FLOWに移行すべきかの判断材料も一緒に整理します。
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