会計事務所の生成AI活用、発信が薄くなる落とし穴と改善策3つ

生成AIで発信が薄くなっていませんか?
こんにちは、大須賀です。
本日、とある税理士事務所さんとMTG中に、 その事務所のコラムを私の視点で修正案を出させていただきました。
元のコラムは生成AIで作成している、とのこと。
読ませていただいて、 「あー、これはもったいないな…」 と正直思いました。
内容は正しいんです。 構成も整っている。
でも、なんというか、 その事務所らしさが全然伝わってこない。
どうやったら生成AIを使ってラクしても、 自分らしい血肉の通った文章にできるのか。
今日はそんな話です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
生成AIを使った発信、こんなことありませんか?

・とりあえず「ブログ書いて」と頼んだら、どこの事務所でも言えそうな文章が出てきた
・正しいけど、なんか”自分の言葉”じゃない
・職員さんに見せたら「先生っぽくないですね」と言われた
・そもそも何を書かせればいいかわからない
・発信が続かず、結局放置している
心当たりがある先生、 結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
生成AIは「編集者」であって「著者」ではない

最近よく聞くのが、 「生成AIがあれば、ブログもコンテンツも無限に作れる時代ですよね」 という話。
私も、これは半分正しいと思っています。
実際、文章を書くハードルはかなり下がりました。
でも、もう半分は違うなとも感じています。
むしろ生成AIが普及したことで、 書ける人と書けない人の差は、以前より広がっているんじゃないかと。
なぜか?
生成AIは、 ゼロから価値を生み出す魔法の箱というより、 素材を料理する腕のいい編集者に近いからです。
つまり、素材がある人ほど強い。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここでいう「素材」って何?
例えばこんなものです。
・日々の顧客対応で積み上がった現場の実感
・トラブルを収束させた経験、失敗から学んだ教訓
・値上げ交渉、採用、育成、業務改善をやり切った意思決定の記録
・自分は何を大事にして、何を譲らないのかという価値観
この素材がある人が生成AIを使うと、 一気に発信が形になります。
逆に、素材がない状態で生成AIに丸投げすると、 それっぽい文章は出るけど、読み手に刺さらない。
そして何より、 本人がそれが正しいかを判断できない。
ここが最大の落とし穴です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
会計業界の発信で起きがちな「事故」
会計業界のブログやSNSで、よくある失敗があります。
・一般論ばかりで、どこの事務所の文章かわからない
・言葉は丁寧なのに、温度感がない
・制度解説は正しいが、読者の行動が変わらない
・サービス紹介が多く、信頼残高が貯まらない
生成AIで文章を作ると、これが加速します。
正しいけど、薄い。 整っているけど、残らない。
これだと、差別化ではなく同質化になります。
せっかく生成AIという便利な道具があるのに、 使い方を間違えると、むしろ”らしさ”が消えてしまう。
本当にもったいないことです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
じゃあ、生成AIはどう使うのが正解か

私が実務でおすすめしているのは、次の使い方です。
① まずは話す(口頭コンテンツを作る)
文章が苦手でも、 所長の頭の中にはネタが大量にあります。
面談、クレーム対応、採用面接、幹部との1on1。
この場で考えていることこそが、一次情報です。
これを音声で残し、文字起こしします。
ここで生成AIが効きます。
話したことがすぐテキストになるだけで、 発信のハードルが激減します。
② 次に、軸を入れて編集する
文字起こしは、そのままだと散らかっています。
だから生成AIに、構成の整理や言い回しの調整をさせます。
ただし、ここで重要なのが軸です。
・自分は誰の味方として書くのか
・読者にどんな状態になってほしいのか
・何を良しとして、何をダメと言うのか
この軸があると、 生成AIは編集者として一気に優秀になります。
③ 最後に、多面的にチェックする
生成AIは便利ですが、正しさの保証ではありません。
なので最後に、視点を変えて見直します。
・この表現は誤解を生まないか
・税務、労務、倫理の観点で危ない言い方はないか
・読者が次に取れる行動は明確か
・自社の方針と矛盾していないか
生成AIをチェック役として使うと、事故が減ります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
私が今一番使っている「魔法のプロンプト」

ここで、私が実際に使っている方法を1つお伝えします。
お客様との面談って、 実は発信ネタの宝庫なんですよね。
でも、面談が終わると忙しくて、 「あのとき話したこと、良かったんだけどな…」 と忘れてしまう。
もったいないですよね。
そこで私がやっているのは、こうです。
Step1:面談を録音して、生成AIで議事録を作成する
これは普通ですよね。
Step2:その議事録を生成AIに入れて、こう聞く
「今回のMTGの中で、ほかの先生にも伝えたほうが良い気づきやテーマがあれば、それを【タイトル】【主張】【見出し】で作成して」
これだけです。
すると生成AIが、 「この面談で出た話の中で、汎用的に価値がありそうなもの」 を抽出してくれます。
面談の内容をそのまま公開するわけではないので、 守秘義務の問題もクリアできます。
そして、抽出されたテーマに対して、 自分の経験や考えを肉付けしていく。
これで、現場発の、血の通った発信ができます。
ポイントは、 「面談」という一次情報から始めていること。
生成AIに「ブログのネタを考えて」と丸投げするのとは、 スタート地点がまったく違います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
生成AI時代に、専門家として差がつくポイント
結論として、差がつくのはここです。
経験の密度
同じテーマでも、現場で揉まれた人の言葉は具体的です。
誰に、何が起きて、どう判断したか。
この粒度があるだけで、文章の信頼感が変わります。
判断の一貫性
所長の意思決定には、必ず癖があります。
その癖こそが、読者にとっての安心材料です。
生成AIは、その癖を言語化する手伝いができます。
伝える勇気
本当は言いにくい話ほど、価値があります。
・値上げの話
・採用の現実
・丸投げ顧客との向き合い方
・属人化を放置した結果の痛み
こういうテーマは炎上リスクもあるので、 書き方の設計が必要です。
でも、だからこそ書ける事務所は強いです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
忙しい所長でも回る「現実的な運用テンプレ」
ここまで偉そうに書いてきましたが、 私自身、発信をサボる時期もありました。(笑)
だからこそ、 「続けられる仕組み」が大事だと痛感しています。
ポイントは習慣化と再利用です。
・週1回、15分だけ話す時間を予定に入れる
テーマは「今週一番しんどかったこと」「うまくいったこと」だけで十分です。
この15分を録音して、文字起こししておきます。
・月1回、文字起こしを3本まとめて1本の記事にする
生成AIに、見出し案と結論を作らせる。
そこに所長の判断(なぜそうしたか)を1〜2か所入れる。
これだけで、その事務所らしい記事になります。
・ネタ帳は「出来事」ではなく「論点」で管理する
例えば、採用/値上げ/ミスの再発防止/若手育成/業務の標準化/クレーム対応
のように論点で分けておくと、翌年も再利用できます。
・公開前に、1つだけ守るルールを決める
例えば「個別の顧客が特定される要素は入れない」 「特定の商品を不必要に断定しない」 「否定を書くときは、代替案もセットで書く」
この1ルールがあるだけで、炎上と誤解がかなり減ります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
発信は、所長の時間を増やす「投資」です

発信をすると、仕事が増えるように感じるかもしれません。
でも実際は逆で、
・相性の良い顧客が来やすくなる
・採用で期待値が揃いやすくなる
・値上げの説明が楽になる
・所長の考えが社内に伝わり、指示が減る
こういう形で、あとから効いてきます。
生成AIは、その投資効率を上げる道具です。
上手に使って、 先生の”らしさ”を発信していきましょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
では、今日も良い一日を!
発信についてのご相談、いつでもお待ちしています!
あわせて読みたい記事



