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税理士事務所の幹部育成を妨げる原因とフィードバック体制の作り方3ステップ

幹部育成フィードバック体制の作り方関連図解イラスト
目次

打ち合わせ中に、はっとした話

【幹部育成】社長が抱え込むほど、幹部は育|イラスト

先日、ある支援者の方と打ち合わせをしていた時のことです。

その方がこんなことをおっしゃっていました。

「社長さんって、本来は前に進める仕事をする人なんです。マーケティング、商品開発、提携、資金繰り。会社を成長させるために、前に進める仕事がたくさんあるはずなんですよ」

「でも、後ろのこと――社員の指導やフィードバックも気になる。時間を取りたいけど、取りきれない。そこで私たち外部支援者が入るんです」

この言葉を聞いて、私ははっとしました。

そうなんです。

税理士事務所の所長先生も、まったく同じなんです。

所長先生の時間が詰まっていく理由

所長先生の本来の仕事は何でしょうか。

顧問先の未来を一緒に考えること。 新しいサービスを設計すること。 事務所の方向性を決めること。 採用戦略を練ること。

でも、現実はどうでしょう。

・現場の判断が止まって、全部「所長待ち」になる ・幹部やリーダーに任せたいのに、任せきれない ・言っても直らない、指摘すると反発される ・その場では頷くけど、行動が変わらない ・気づけば所長が全部背負っている

こうなると、所長の時間がまず詰まります。

会議が増え、確認が増え、結局「所長がいないと回らない組織」になってしまう。

これ、誰が悪いわけでもないんです。

ただ、幹部が育つ”仕組み”が存在していないだけなんです。

問題は「教え方」じゃない。育成が「運用」になっていない

【幹部育成】社長が抱え込むほど、幹部は育|イラスト_2

ここが大事なポイントです。

幹部が育たない原因は、所長の「教え方」が下手だからではありません。 幹部の「能力」が足りないからでもありません。

育成が”イベント”になっているから、なんです。

気になった時に叱る。 問題が起きた時に注意する。 成果が悪い時に詰める。

これだと、本人の中では「攻撃」や「否定」として受け取られやすいんですね。

フィードバックって、正しいことを言えば通るわけじゃない。 むしろ正しいほど、反発が出ることがあります。

なぜか。

理由は2つあります。

1つ目は、関係性の問題。

信頼が弱い状態で正論を投げると、人は「内容」ではなく「感情」で反応します。 「自分を否定された」と感じた瞬間、学びの回路は閉じてしまう。

2つ目は、受け取り設計の問題。

どんな場で、どの順番で、どの頻度で、何を、誰が言うのか。 これが設計されていないと、フィードバックは”偶然の一撃”になります。

幹部育成は、情熱ではなく設計なんです。

直属の上司より、第三者の方が刺さる場面がある

【幹部育成】社長が抱え込むほど、幹部は育|イラスト_3

ここからが実践的な話になります。

冒頭の打ち合わせで、私はこんなことに気づきました。

直属上司の言葉より、第三者の言葉の方が刺さる場面がある。

不思議に聞こえるかもしれませんが、所長先生なら心当たりがあるんじゃないでしょうか。

所長が同じことを20回言っても、職員さんは「また言ってる」と受け取る。 でも、外部の人が1回言っただけで「なるほど!」となる。

これ、別に所長の伝え方が悪いわけじゃないんです。

社内には利害があるんです。過去の感情もある。評価も絡む。 だから、同じ内容でも「立場で言ってる」と受け取られやすい。

一方、第三者は”基準値”を持ち込みやすいんですね。

業界相場、他社事例、プロの視点。 それが「個人の好き嫌い」ではなく「外の世界の基準」になる。

自分の直接の上司じゃない他人から言われた方が、素直に受け取れる。 一般的な業界の基準値を知っている人から言われるから、納得しやすい。

こういうこと、結構あると思うんです。

外部を入れるのは「丸投げ」じゃない

ここで勘違いしてほしくないのは、 第三者を入れるのは”丸投げ”じゃないということです。

第三者は、所長の代わりに叱る人ではありません。 幹部が育つ”運用装置”の一部として入れるんです。

所長のコーチングスキルを磨くことは、もちろん大切です。 フィードバックの質を高める努力も、無駄じゃない。

でも、それを全部1人で抱える必要があるかといったら。

逆にそれって、「できる人がやる」っていうのとほぼ同じなんです。

所長が抱え込むほど、幹部は育ちません。 組織は詰まります。

だから、社内のフィードバック体制を整えることと、 外部の支援者を入れることの両立が、すごく大事なんじゃないかなと思うんです。

最小で回るモデル:2週間に1回×45分+短い記録

【幹部育成】社長が抱え込むほど、幹部は育|写真_4

じゃあ、具体的にどうするか。

仕組み化というと、大げさに聞こえるかもしれません。 でも最初は小さくていいんです。

私がおすすめしているのは、これです。

・2週間に1回 ・朝45分(短く、濃く) ・話した内容を短く記録(箇条書きでOK)

実は私自身も、今2週間に1回、幹部メンバーのフィードバックの時間を朝45分取って、 15分ほど記録を残すというのを3人のメンバーに対してやっています。

これだけで、空気が変わります。

なぜか。

幹部育成が進まない最大の理由は、単発だからなんです。

単発だと、毎回”関係性の再構築”から始まる必要があります。 だから疲れる。だから続かない。

2週間に1回の定期運用にすると、関係性が積み上がります。 前回の続きで話せる。

本人も「これは攻撃じゃなく、成長のための時間だ」と認識し始めます。

ここでの目的は、長い面談ではありません。 「習慣」と「改善の連続性」を作ることなんです。

所長の仕事は「育成係」ではない。「育つ仕組み」の設計

ここが結論です。

幹部が育たないとき、所長はつい現場に入りたくなります。 自分なら分かる。自分ならできる。

そして、所長が入るほど、幹部は”判断しない人”になっていきます。

もったいないんです。

だから所長は、降りる。

所長がやるべきは、直接教えることじゃありません。 幹部が育つ環境を設計することです。

・誰がフィードバックするのか ・どの頻度で行うのか ・何を基準に評価するのか ・必要なら第三者をどう組み込むのか

この設計ができた瞬間、所長の時間が戻ってきます。 そして、組織が前に進み始めます。

今日からできる一歩:まず”誰の何を”フィードバックするか決める

【幹部育成】社長が抱え込むほど、幹部は育|イラスト_5

最後に、行動を一つだけ。

「よし、仕組み化しよう」と言いながら止まる事務所は、ここが曖昧なんです。 いきなり制度を作ろうとして止まる。

今日やるのは、これだけでいい。

①最優先で育てたい幹部を1人決める ②その人に求める”たった1つの行動”を決める ③2週間に1回×45分の枠を、カレンダーに固定する

幹部育成は、気合じゃありません。 運用で回すんです。

所長が前に進むために。 幹部が”自走”するために。

社内のフィードバック体制と、外部の支援者。 この両輪で、組織は確実に変わっていきます。

では、今日も良い一日を!

(もし「うちの事務所、どうしたらいいかな」と思ったら、いつでも声をかけてくださいね。一緒に考えます!)

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