税理士事務所の組織を壊す所長の口癖4つと改善すべきコミュニケーション習慣

税理士事務所の組織を静かに壊す所長の一言とは
所長と幹部社員を含めたMTGをしていると、 「その一言はまずいな…」と、所長先生の発言にヒヤッとする場面があります。
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例えば、こんな発言です。
「お前がやればもっと早く終わるだろ」
これ、言われた側はどう感じるでしょうか。
・自分の努力を否定された ・結局、最後は所長がやるんだ ・私は”遅い人”として見られている ・相談しても、責められるだけかもしれない
こういう空気が生まれやすいんですよね。
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実際にあった話をお伝えします
パートさんが担当していた顧問先の記帳代行。
作業時間が長く、生産性が低い状態だと分かったときに、 所長先生が出てしまった一言が、まさにこれでした。
私はその場で、 あーあー…と思いましたし、 事実、そのリーダーの方は2か月後に退職されました。
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もちろん、言葉そのものが絶対悪、という話ではありません。
もしこの一言が、 「どうすればスピードアップできるか、一緒に考えよう」 という前向きな議論の入口だったなら、問題になりません。
たとえば、私の頭の中だけでも、解決策はすぐに複数出てきます。
①マニュアル整備(手順の迷いを減らす) ②研修(入力ルール、判断基準、ショートカット) ③分業体制の変更(入力とチェック、前処理の切り分け) ④前捌き(資料回収・並び替え・不足確認を先にやる) ⑤AI-OCRなどのツール導入(入力負荷そのものを減らす)
これだけで5つ。 つまり、打ち手は山ほどある、ということです。
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「なんとかしろ」が組織を壊す理由
ただ、今回のケースはそうではなくて、 とにかくリーダーに「なんとかしろ」と押し付けるような発言でした。
私はこの”なんとかしろ”の思考こそが、 組織を静かに壊していく原因だと思っています。
なぜなら、リーダーはこう受け取るからです。
・自分が抱えれば解決する ・自分が残業すれば回る ・所長は結局、現場の仕組みは作らない
結果として、 リーダーの長時間残業が常態化し、 数年かけて育成した人材が、 「リーダーのような働き方は無理です」 と感じて離れていく事務所が出来上がります。
これ、本当にもったいないですよね。
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人の頑張りではなく、仕組みでカバーする
組織が大きくなってくると、 1人の処理能力だけでは、どうにもなりません。
だからこそ、 人の頑張りで吸収するのではなく、 仕組みでカバーする必要があります。
ここを避け続けると、 いわゆる「30人の壁」は超えないだろうなと感じます。
仕事量が増えたら、 誰かが燃える。 誰かが辞める。 また誰かが燃える。
この負のループは、仕組みを入れない限り止まりません。
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意外だった初期改善の打ち手
ちなみに、この事務所の場合、 初期改善として選んだのは、少し意外な打ち手でした。
⑥顧問先への値上げ交渉と、意図的な解約
です。(笑)
①~⑤ではなく⑥を選んだのは、 リーダーが感じている課題と、 事務所そもそもの課題に”ズレ”があったからです。
現場は「早く処理できない」と悩んでいたけれど、 実は「そもそも採算が合わない仕事が混ざっている」 という構造問題があった、ということですね。
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同じ状況で、言い方を変えるなら
ここで一つだけ、所長先生向けに具体案を置いておきます。
同じ状況で、言い方を変えるなら、 私はこう言います。
「今の処理時間だと負荷が高いですね。原因を一緒に分解しましょう。 手順・判断・資料・分業・ツール、どこが詰まっているか見たいです。 今週中に”改善案を3つ”出して、来週から1つ試してみませんか?」
この言い方なら、 責める空気ではなく、改善する空気になります。
そして何より、リーダーが「守られている」と感じられます。
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所長先生の一言は、想像以上に組織に残ります。
だからこそ、感情のままに出すより、 “次の一手が生まれる言葉”に変えていきたいですね。
また次回、 ①~⑤ではなく⑥を選んだ背景(ズレの見つけ方)も、 もう少し具体的にお話できればと思います。
それでは、今日も良い一日を!
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