税理士事務所の採用で重視すべき「スキルより動ける人材」の4つの見極め方

忙しい所長が組織を作るなら、スキルより「動ける人」が必要な理由
こんにちは、大須賀です。
最近、自分自身の気づきもありましたし、 同じようなご相談も重なったので、 今日はあらためて書いてみます。
社員に何を求めるべきか。
これ、言葉にすると当たり前のようで、 実は曖昧なまま進んでいること、多くないですか?
忙しい所長先生ほど、 採用も育成も、現場判断も、全部が同時進行です。
だからこそ、 ここを曖昧にしたまま進むと、 どこかで一気に苦しくなります。
私が最近しっくり来ている結論はこれです。
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忙しい所長が組織を作るなら、 必要なのは”スキルが高い人”より、 曖昧さを行動に落とせる人。
プライドの高さは武器にも毒にもなるので、 自己防衛と切り分け、運用の型で扱う。
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今日は、この主題を支える4つの柱で書いていきますね。
①曖昧耐性のある人材とはどういう人か

まず、「曖昧耐性」という言葉。
便利なんですけど、誤解が起きやすいです。
曖昧耐性=「放っておいても勝手にやる力」 …ではないんですよね。
私が言いたい曖昧耐性は、
目的が完全に固まっていなくても、 仮説で動いて、途中で確認し、修正できる力
です。
もう少し具体的に言うと、
「自分で仮の段取りを作れる力」
なんだと思います。
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税務でも、顧客対応でも、業務改善でも、 最初から要件が100%揃っていることって少ないですよね?
「このお客様、結局どこまでやればいいんだろう?」 「このプロジェクト、ゴールはどこ?」 「先生、具体的に何を求めてるんだろう?」
こういう状況、現場では日常茶飯事です。
で、ここで止まってしまう人と、 前に進める人の違いは何か?
それは、自分でマイルストーンを置けるかどうかです。
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たとえば、ゴールが曖昧でも、
「とりあえず、ここまでやったら一回見せよう」 「まず30分で叩き台を作って、方向性を確認しよう」 「最終形はわからないけど、中間地点はここに置こう」
こうやって、仮の中間ゴールを自分で設定できる人は、 曖昧な状態でも前に進めます。
逆に、
「ゴールがはっきりしないと動けません」 「指示が曖昧なので、何をしていいかわかりません」
こうなる人は、能力が低いというより、 仮で段取りを組む習慣がないケースが多いです。
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現場の仕事って、結局こうですよね。
・とりあえず仮で動いてみる ・途中で確認する ・相手の反応で調整する ・また動く
この繰り返しです。
最初から完璧な指示を待っていたら、 いつまでも動けません。
なので、求めるべきは「曖昧でも動け」という精神論ではなく、
曖昧な状態を、行動に落とす型を持っているか? 自分で仮のマイルストーンを置いて、段取りを組めるか?
なんだと思います。
具体的には、
・まず30分で叩き台を作る ・「ここまでできたら中間報告」と自分で決める ・論点を3つに絞って確認する ・期限に間に合う形に整える
こういう動きができる人は、 所長先生が忙しくても、組織の前進に貢献してくれます。
逆に言えば、 この「仮で段取りを組む力」は、採用時に見るべきポイント でもあるんですよね。
②プライドの高さと自己防衛の高さは違う

次に、所長先生が悩みやすいのがここです。
「プライドが高い人って、必要ですか?」 「採用したらきつくないですか?」
結論から言うと、条件付きで必要です。
ここで大事なのは、 プライドの高さと自己防衛の高さを分けて見ること。
プライドが高い人には、良い面があります。
・品質を上げたい ・成果で勝ちたい ・専門家として恥をかきたくない ・基準を下げたくない
これは、組織にとって武器になります。
一方で、自己防衛が高い人は、こうなりやすいです。
・指摘されると反論が先に出る ・論点がズレる ・責任が外に向く ・言い方や表現の揚げ足を取る ・改善よりも「自分は悪くない」を守る
この状態になると、育成が難しくなります。
見分け方はシンプルです。
フィードバックを受けたあとに、行動が変わるか?
プライドが高いけど健全な人は、 悔しさをバネに行動を変えます。
自己防衛が強い人は、 行動を変える前に、言い訳を固めます。
忙しい所長先生ほど、後者を採用すると消耗が激しいです。
なぜなら、議論の回数が増えるからです。
これ、本当にもったいないですよね。
③反論されたとき、フィードバックは「基準と手順」に戻す

反論されやすい職員へのフィードバックで、 所長先生がやりがちなのが、
「指摘で勝とうとする」
です。
でもこれ、勝っても得るものが少ないです。 むしろ関係だけが削れていきます。
ここで効くのは、コミュ力より運用です。
つまり、
基準と手順に戻す。
私は、フィードバックの入口をこうするのがおすすめです。
「今回の成果物の必須条件は何でしたっけ?」 「締切はいつでしたっけ?」 「A(必須)B(望ましい)C(理想)で言うと、今回はどこを取りにいく前提でしたっけ?」
反論が出ても、議論を人格に寄せず、 判断軸に戻します。
そして、最後は次の一手を一つに絞ります。
・次回は前日15時に途中版を出す ・次回はAだけを先に満たして提出する ・次回は最初の30分で叩き台を共有する
こうすると、反論の余地が減ります。 なぜなら、次回の行動が具体だからです。
忙しい所長先生が求めたいのは、 正しい反省ではなく、再現性のある改善ですよね。
④時間のない所長ほど採用と運用の順番を間違えない

最後に、採用の話をします。
「所長が忙しい中で、 スキル高い人を採用して組織構築できるのか?」 「きつくないですか?」
これ、本当にその通りで、きついです。
ただし、きつい理由は「相手が優秀だから」ではなく、 順番が逆になっていることが多いです。
仕組みが弱い状態で優秀な人を入れる →解釈が増える →判断のズレが増える →議論が増える →所長の時間が溶ける
こうなります。
だから、採用より先に最低限の運用を揃える必要があります。
・期限の持ち方 ・中間提出のルール ・成果物のA/B/C基準 ・記録の場所 ・相談の粒度(何を持ってくるか)
これがあると、優秀な人は武器になります。
逆にこれがないと、 優秀な人ほど「自分のやり方」で進めてしまい、 衝突が増えます。
結局、所長先生が求めるべきは、
スキルそのものより、 曖昧さを行動に落とす姿勢と型
なんだと思います。
まとめ:忙しい所長が求めるべき社員像は「動ける人」
今日書いたことを一言でまとめるなら、
忙しい所長が組織を作るなら、 必要なのは曖昧さを行動に落とせる人。
です。
プライドが高い人がダメなのではなく、 自己防衛が強くて行動が変わらない状態が危ない。
反論が起きるなら、会話で勝つのではなく、 基準と手順に戻して、次の行動を一つに絞る。
採用で解決しようとする前に、 最低限の運用の型を整える。
ここが揃うと、所長先生の時間は守られますし、 組織もちゃんと前に進みます。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も良い一日を!
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