会計事務所のコンサル選びで失敗する3つの共通点と期待値設計の方法

会計事務所がコンサル選びで失敗する共通点
こんにちは、大須賀です。
最近、交流会で先生にお話しするときに3件連続同じ質問をいただきました。
「コンサルタント(伴走者)って、結局どう選べばいいんですか?」
しかも、3件とも微妙に状況が違っていて。
・導入したけど使われない
・推進されすぎて現場が疲弊した
・結局、所長が全部やってる
どれも、コンサルの能力が低いわけじゃないんですよね。 むしろ、優秀な方ばかりです。
じゃあ何がズレたのか。 答えはシンプルで、期待値設計がミスってたんです。
今日はその整理を、なるべく実務に落ちる形でまとめます。
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コンサル選びでよくある失敗パターン

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・評価制度のフォーマットをもらったけど、結局誰も使ってない
・推進力が強すぎて、職員が「また変わるの…」と疲弊している
・コンサルが来る日だけ準備して、それ以外は何も進まない
・「正しいこと」は言われるけど、現場が動ける粒度に落ちてこない
・振り返りの場が、報告会になってしまって改善に繋がらない
全部、実際にあった話です。
そして私、これ全部「もったいない」と思うんですよね。
なぜなら、これって先生の判断ミスじゃないから。 コンサルの能力不足でもないから。
単純に、期待値の設計がズレてただけなんです。
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コンサルに何を求めるかを先に整理する

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コンサルと一口に言っても、実態はだいぶ違います。 私は大きく分けると、次の2系統があると思っています。
① ナレッジ・フォーマット提供型(完成品に近いもの)
② 推進・設計・振り返り型(自社に合わせて作るもの)
まずは、あなたがどっちを求めているか。 ここが曖昧なままだと、だいたい事故ります。
「買ったけど、思ってたのと違った」
「言ってることは正しいけど、現場が動かない」
「結局、形だけ作って終わった」
こういうズレは、能力の問題というより、期待値の設計ミスです。
で、ここからが本題なんですが。
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フォーマットを導入しても使われない理由

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先月、こんな相談がありました。
「とあるパッケージフォーマットを買って、導入したんですが… 全然運用されないんです。どうすればいいですか?」
詳しく聞いてみると、
・フォーマット自体はちゃんとしてる
・導入説明会もやった
・でも、誰が入力するのか決まってない
・Googleドライブのどこに置くかも曖昧
・評価のタイミングも「なんとなく」
・結局、所長が一人で全部入力してる
…これ、フォーマットの問題じゃないですよね?
運用設計がないんです。
もっと言うと、
・誰が ・いつ ・どこで ・何を入力して ・誰がチェックして ・どう振り返るか
ここが決まってないから、形だけで終わる。 もったいないです、本当に。
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フォーマットか推進力か、コンサルに何を求めるか
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もし完全なナレッジやフォーマットの提供を求めるなら、 それはパッケージを買うのが早いです。
動きも速いですし、何もわからない状態からのスタートなら、 それで十分機能します。
たとえば、
・評価制度の雛形
・面談シートのテンプレ
・会議体の型
・業務フローの標準モデル
このあたりは「まず形にする」には強いです。
特に、社内に推進役がいて、ある程度自走できるなら、むしろ最適です。
ただし。
社内に一定以上のリテラシーがあったり、
すでにお客様がいて現場が回っている状態だと、話が変わってきます。
なぜなら、実務って「細部」で詰まるからです。
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現場の運用は事務所ごとの最適化が必要な理由

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よくあるのが、このあたり。
・Googleドライブをどう使うか
・その中でのオペレーションをどう設計するか
・クラウド会計や勤怠管理との連携
・社内データストレージの扱い
・権限、命名規則、フォルダ階層、検索性
・例外処理(あの顧問先だけ特殊、担当が違う、紙が混ざる、など)
こういう細かいTipsや運用設計って、
結局その事務所に最適化されるんですよね。 事務所ごとに違うから。
だから、フォーマットを入れた瞬間に完成する、というより、
フォーマットを土台にして、
現場に合わせて「設計」して、
日々運用して、 ズレたら「振り返って直す」
ここまで含めて、やっと成果が出ます。
で、この「設計→運用→振り返り」の部分が、実は一番大事なんです。
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推進力のある支援で本当に大事な2つのこと

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目標とする方針や事例を知ることは、もちろん大切です。
でも、もっと重要なのは「社内で何をするか」という設計の部分です。
そして、それが日々の運用や月次の振り返りに入ったときに差が出ます。
・振り返りの精度が上がるか ・アイディア出しが社内で成立するか ・プロジェクトの推進として成り立つか
この3つが回り始めると、急に変化が加速します。
逆に、ここが回らないと、どれだけ正しいことを言っても前に進まないです。
だから私は、外部支援者に期待する価値は、知識そのものよりも、
・前に進めるための整理
・やることの優先順位づけ
・止まった時の原因特定
・現場が動ける粒度への分解
・振り返りの質の担保
このあたりにあると思っています。
正直、フォーマットだけなら、ネットで探せば結構あります(笑)。 でも、それを「自分の事務所で回す」ところまで持っていけるかどうか。
ここが勝負なんです。
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コンサルタントの支援スタンスは2タイプある

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外部支援者といっても、スタンスは様々です。
① コーチング型 「初めてだと思うけど、一緒に頑張りましょう」と、現場が一歩でも前に進めるように寄り添うスタイル。
② 推進型 事務所の目標に対してブレイクダウンし、精度を上げたり、目標達成できるよう働きかける、推進力の高いスタイル。
どちらが良い悪いではなく、事務所の状況次第です。
たとえば、
・所長が忙しすぎて推進者が不在 ・社内の温度差がある ・決めたのに実行されない ・会議が意思決定の場になっていない
こういう状態なら、推進型が効きやすいです。
逆に、
・やるべきことは見えている ・ただ自信がない、孤独、怖い ・現場が疲れていて、踏み出せない
こういう状態なら、コーチング型が効きます。
ここを見誤ると、たとえば推進型を入れた瞬間に現場が反発して、余計に止まる、みたいなことも起きます。
支援者が悪いというより、噛み合わせの問題です。
普通ですよね?
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訪問かZoomか、支援方法は目的で決める

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あと、施策を打つときに、
・訪問が必須なのか ・それともZoom上でも十分対話できるのか
この違いも考える必要があります。
私の感覚でいうと、
訪問の価値が出やすいケース: ・空気感の把握、関係性の再構築、巻き込み ・現場観察が必要なオペレーション設計 ・キーパーソンが腹落ちしてない状態の立て直し
Zoomで十分成果が出るケース: ・意思決定ができている ・やることが明確で、レビューが中心 ・月次での振り返り、進捗確認、微調整
こういう時は、Zoomでも十分に成果が出ます。 むしろ頻度を上げた方が良いケースも多いです。
ただ、これも一概には言えなくて。 結局、試行錯誤するしかないんですよね。
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コンサルを選ぶときに見るべきポイント

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私はコンサル選びを、面談前の段階でだいたい8割決まると思っていて、見るポイントはシンプルです。
① あなたが求めているのは「型」か「推進」か まず、ここを自分で決める。曖昧なまま進めない。
② その人は、推進の設計ができるか(やることを分解できるか) 「頑張りましょう」だけじゃなく、「まず何をやるか」が出るか。
③ 振り返りが上手いか(原因特定と次の一手が出るか) 止まった時に、「なぜ止まったか」を構造で見てくれるか。
④ コミュニケーションの相性 ここは軽視しない方がいいです。長く付き合うなら、なおさら。
⑤ 小さく試して改善する前提を共有できるか 「一発で完璧に」ではなく、「試して直す」を許容できるか。
このあたりが揃うと、だいぶ外しにくいです。
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今日からできる期待値設計の具体的な手順
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もし今、
・何を期待していいかわからない ・パッケージで良いのか、伴走が必要なのか迷っている ・支援者はいるけど、うまく噛み合っていない
という状態でしたら、まずは期待値の整理から始めましょう。
具体的には、こんな感じです。
① 今の詰まりを3つ書き出す 「評価が回らない」「会議が機能しない」「所長が孤独」など、具体的に。
② それぞれ、フォーマットで解決? 推進で解決?を分ける 「型があれば動く」のか、「設計と振り返りが要る」のか。
③ 小さく試す(いきなり全部変えない) まず1つのテーマで、1ヶ月だけ試してみる。
④ 振り返る(何が効いて、何が効かなかったか) ここを言語化できると、次の一手が見えます。
一気に変えようとすると、だいたい事故ります(笑)。 繁忙期に突っ込むのも、絶対やめた方がいいです。
段階を踏みましょう。
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まとめ:正解探しより期待値の合意から始める
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一概に「これが正解」とは申し上げられません。
でも、どこを求めているかを明確にした上で、最適な形を一緒に探していく。 これが一番確実です。
そして、ズレた時に直せる体制があるか。 ここが、長く続く支援の条件だと思っています。
コンサル選びは、能力だけじゃなくて、期待値設計と相性です。
もし迷ってたら、まずは「自分が何を求めているか」を整理するところから始めてみてください。
それだけでも、だいぶ視界が開けますよ。
今日も頑張りましょー!
(相談あればいつでもどうぞ(笑))
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